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蛍光灯の種類と特徴
蛍光灯は、かつて私たちの暮らしの中で広く使われていた照明器具です。白く明るい光で、家の中だけでなく、職場や学校、お店など、様々な場所で私たちの生活を照らしてきました。今では、発光ダイオード(エル・イー・ディー)照明の普及により、目にする機会は少なくなってきています。
蛍光灯の光は、少し変わった仕組みで生まれます。蛍光灯の管の中には、水銀の蒸気とアルゴンガスが入っています。管の両端には電極があり、ここに電圧をかけると放電が起こります。この放電によって目に見えない紫外線が発生します。蛍光灯の管の内側には蛍光体と呼ばれる白い粉が塗られています。この蛍光体に紫外線が当たると、蛍光体が光を出し、私たちが見ている明るい光となります。紫外線自体は目に見えない光ですが、蛍光体のおかげで、私たちは明るい光を見ることができるのです。
蛍光灯は、白熱電球に比べて消費電力が少なく、長持ちするという利点がありました。そのため、長い間、家庭や職場などで広く使われてきました。白熱電球は電気を流すと、フィラメントと呼ばれる金属の線が熱くなり、その熱によって光を出します。一方、蛍光灯は放電を利用して光を作り出すため、白熱電球のようにフィラメントを熱する必要がなく、エネルギーの無駄が少ないのです。また、蛍光灯は白熱電球よりも寿命が長く、交換の手間も少なくて済むというメリットもありました。
しかし、蛍光灯には水銀を使用しているという課題もあります。水銀は有害な物質であるため、蛍光灯が割れた場合は適切な処理が必要です。また、蛍光灯は点灯するまでに時間がかかったり、寒い場所では明るさが安定しないといったデメリットもありました。これらの課題や、より省エネルギーで長寿命なエル・イー・ディー照明の登場により、蛍光灯は徐々にその役割を終えつつあります。