
不動産取引の様態:売主、代理、媒介の違い
土地や建物を売買したり、貸し借りしたりする際には、様々な人が関わってきます。売主、買主、貸主、借主といった直接契約する人たちの他に、宅地建物取引業者と呼ばれる人たちがいます。彼らは直接契約の当事者ではありませんが、円滑な取引のために重要な役割を担っています。
宅地建物取引業者の関わり方は大きく分けて三つの種類に分けられます。一つ目は「売主」です。これは、宅地建物取引業者が自ら土地や建物を所有し、それを売却する場合です。業者自身が所有者であるため、売却に関する責任もすべて彼らが負います。
二つ目は「代理」です。売主もしくは買主から依頼を受けて、彼らの代わりに契約の手続きなどを行います。この場合、宅地建物取引業者は依頼主の利益を守るように行動しなければなりません。売主の代理であれば、少しでも高く売却できるように努めますし、買主の代理であれば、少しでも安く購入できるように努めます。代理として行動する場合には、依頼主から代理権を与えられているため、責任も大きくなります。
三つ目は「媒介」です。売主と買主、または貸主と借主の間に入って、契約が成立するように仲介します。媒介の場合は、売主と買主の両方から依頼を受けて、両者の間を取り持ち、取引がスムーズに進むように調整します。媒介では、売買契約などが成立した時点で、その仲介の成功報酬として手数料を受け取ります。
このように、宅地建物取引業者の関わり方によって、彼らの責任や義務、そして受け取る報酬も変わってきます。土地や建物の取引に関わる人は、それぞれの関わり方の違いを理解しておくことが大切です。そうすることで、取引の透明性を高め、トラブルを防ぐことができます。また、消費者も関わり方の違いを理解することで、より良い選択をし、自分に有利な取引を進めることができます。