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フロアヒンジ:扉の動きを制御する隠れた主役

床蝶番(ゆかちょうつがい)とは、扉を滑らかに開閉するために欠かせない部品です。蝶番というと、扉の側面に設置された小さな金具を思い浮かべるかもしれませんが、床蝶番は名前の通り、扉の回転軸となる部分を床に埋め込む形で設置されます。 床に埋め込まれた軸受が扉全体の重さを支えるため、まるで縁の下の力持ちのように、人々の通行を支えています。扉の開閉に必要な力は、床蝶番内部の機構によって調整されます。この機構のおかげで、子供からお年寄りまで、誰でも扉を楽に開閉できるようになっています。 床蝶番には様々な種類があり、扉を開けた際に、特定の角度で扉を一時停止させる機能を持つものもあります。例えば、90度で扉を止めたい場合や、180度まで大きく開きたい場合など、設置場所や用途に合わせて最適な製品を選ぶことができます。この機能により、扉の開閉を細かく制御することができ、通行の安全性を高めることができます。 また、火災が発生した際に自動的に扉を閉鎖する機能を持つ床蝶番もあります。これは、火災の延焼を防ぎ、人命を守る上で非常に重要な機能です。火災時の煙や熱は建物の構造を伝って急速に広がりますが、扉を自動的に閉鎖することで、その広がりを抑制することができます。 近年では、機能性だけでなく、デザイン性にも優れた床蝶番が登場しています。建物の外観や内装に合わせて、様々な形状や色を選ぶことができます。床蝶番は建物の安全性や利便性を高めるだけでなく、美観にも貢献する重要な要素となっています。