工事請負契約

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契約・手続き

建築主:家を建てる人の役割と責任

家を建てたり、建物を新しく作ったりする際には、必ず中心となる人がいます。その中心人物こそが建築主です。建築主とは、工事の請負契約における注文主、つまり工事を頼む人のことです。家を建てたい人が建築会社に依頼する時、まさにその人が建築主となります。建築主は施主とも呼ばれ、意味は全く同じです。 注文住宅の場合、建築主は住宅を買う人です。つまり、自分の家を建てる人が建築主となります。一方、すでに完成した住宅を買う建売住宅の場合は少し話が変わってきます。建売住宅の場合、建築主は住宅を建てた会社、つまり住宅メーカーなどの事業者です。自分が住む家を建てる人が建築主となる場合と、そうでない場合があることをぜひ覚えておいてください。 建築基準法では、建築主は「建築物に関する工事の請負契約の注文者。又は請負契約によらないで自らその工事をする者。」と定められています。つまり、業者に工事を頼む場合だけでなく、自分で工事を行う場合も建築主となるのです。例えば、日曜大工で物置小屋を自分で建てる場合も、法律上は建築主という立場になります。また、マンションのような集合住宅を建てる場合、発注者である不動産会社やデベロッパーが建築主となります。さらに、公共の建物、例えば市役所や学校などを建てる場合は、地方公共団体が建築主となります。このように、建築主は個人だけでなく、法人や団体の場合もあります。 建築主は、建物の所有者と必ずしも一致するとは限りません。例えば、賃貸アパートの場合、建築主はアパートの所有者である大家さんですが、そこに住む人は建築主ではありません。このように、建築主は建物の所有者とは異なる場合もあることを理解しておきましょう。建築主は、工事が無事に終わるまで、様々な責任を負う重要な立場です。そのため、建築主が誰なのかをきちんと把握することは、建築に関する様々な手続きを進める上で非常に大切です。