契約の種類

記事数:(2)

契約・手続き

不動産売買の成功への鍵、媒介契約を理解する

家や土地などの不動産を売りたい、あるいは貸したいと思った時、不動産会社に仲介を頼むことがあります。この時、不動産会社と結ぶのが媒介契約です。媒介契約とは、簡単に言うと、不動産の売買や賃貸借をしてもらうために、所有者と不動産会社の間で取り交わす約束事です。 所有者はこの契約を通して、不動産会社に物件の売却や賃貸の仲介をお願いすることになります。つまり、買主や借主を探してもらうのです。不動産会社は専門家として、様々な業務を行います。例えば、今の市場でどれくらいの値が付くのかを調べたり、売値や貸し値を適切に設定したりします。また、より多くの人に物件を知ってもらうために、新聞やインターネットなどに広告を出したり、チラシを配ったりもします。さらに、購入や賃貸を希望する人が現れたら、条件の交渉なども行います。そして最終的に契約がまとまるまで、様々な手続きをサポートしてくれます。 売買や賃貸の手続きは、法律や慣習など、専門的な知識が必要となることが多く、自分一人で行うのは大変です。媒介契約を結んで不動産会社に頼むことで、こうした手間や負担を減らし、安心して取引を進めることができます。 不動産会社は、取引が成立した場合にのみ、所有者から報酬を受け取ります。これは成功報酬と呼ばれ、売買や賃貸の仲介が成功し、契約が締結された時のみ支払われます。そのため、所有者と不動産会社の目的が一致し、双方にとってより良い結果を目指して協力して取引を進めることができるのです。
契約・手続き

準委任契約:成果より業務の遂行

準委任契約とは、ある特定の業務を行うことを約束する契約ですが、その業務の結果に対しては責任を負わないという点が大きな特徴です。よく似た契約に請負契約がありますが、この二つの契約には明確な違いがあります。 請負契約では、例えば家を建てる、絵を描くといったように、完成した物を作ることが目的です。そして、約束した物がきちんと完成することについて、責任を負わなければなりません。一方、準委任契約では、業務を行うこと自体に重点が置かれます。例えば、高齢者の身の回りの世話をする、子供に勉強を教えるといった仕事がこれに当たります。これらの業務では、世話をする、勉強を教えるという行為自体が目的であり、特定の成果物を目指すものではありません。 家を建てるという契約を例に考えてみましょう。請負契約では、完成した家が引き渡されるまでが契約の範囲です。もし、工事が予定通りに進まなかったり、完成した家に欠陥があったりした場合、請負業者は責任を負います。しかし、もしこれが準委任契約であれば、業者は家を建てる行為自体に対してのみ責任を負い、完成した家の出来栄えについては責任を負いません。 このように、準委任契約は結果よりも業務の遂行自体に価値がある場合に適した契約です。そのため、継続的にサービスを提供する必要がある場合、例えば、弁護士への相談、税理士による確定申告の代行、医師による診療、家事代行サービスなどによく利用されます。これらの業務は、継続的な支援やサービスの提供が重要であり、必ずしも具体的な成果物が求められるわけではありません。 準委任契約では、委任された業務をきちんと行う誠実な努力が求められますが、その結果については責任を負わないという点を理解しておくことが大切です。