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一括受電で電気料金を節約
一括受電とは、マンションのような集合住宅において、電気をまとめて受け取る仕組みのことです。通常、各家庭は電力会社と個別に契約を結んで電気を利用しますが、一括受電では、マンションの管理組合が電力会社と高圧電力で契約します。そして、管理組合が受け取った電気を各住戸に分配するのです。
まるで水道のように、建物全体でまとめて電気を購入し、各家庭に分割して供給するイメージです。電力会社から高圧の電気をまとめて受け取るため、変圧設備が必要になります。これは、電力会社から送られてくる高圧電力を、家庭で使える電圧に変換するための設備です。この変圧設備は管理組合が設置・管理することになります。また、電気メーターの検針も管理組合が行います。各家庭のメーターを確認し、使用量に応じて電気料金を計算するのです。
一括受電の最大のメリットは、電気料金を節約できることです。電力会社は、電気の使用量が多いほど料金単価が安くなる仕組みを採用しています。そのため、マンション全体でまとめて電気を購入することで、各戸が個別に契約するよりも単価が安くなり、電気料金の節約につながるのです。
しかし、メリットだけでなく、注意すべき点もいくつかあります。例えば、停電が発生した場合、復旧作業に時間がかかる可能性があります。電力会社との契約形態が変わるため、停電時の対応手順なども事前に確認しておく必要があります。また、変圧設備の維持管理費用や、検針作業など、管理組合の負担も増えます。導入前にメリット・デメリットをきちんと理解し、マンションの状況に合っているかを検討することが大切です。