スケルトン

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エコロジー

SI住宅という選択

家は、家族の暮らしを支える大切な場所です。その家は、大きく分けて骨組みと内装の二つの部分から成り立っています。骨組みとは、柱や梁、床、屋根など、建物を支える構造体のことを指します。いわば家の骨格にあたる部分です。一方、内装とは、間取りや壁、床材、キッチン、お風呂などの設備を指し、暮らしの彩りを与える部分です。 従来の家づくりでは、この骨組みと内装が一体化していることがほとんどでした。そのため、家族構成の変化やライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更しようとした場合、大規模な工事が必要となり、多額の費用と時間を要することが一般的でした。 しかし、「スケルトン・インフィル住宅」、略してSI住宅という考え方を取り入れることで、より柔軟で持続可能な家づくりが可能になります。SI住宅とは、骨組みと内装を分離して考えるという設計思想に基づいた住宅のことです。骨組み部分をスケルトン、内装部分をインフィルと呼び、この二つを明確に分けることで、内装部分だけを比較的容易に変更することができるようになります。 例えば、子供が成長し独立した場合、余った部屋の壁を取り壊して広い居間に変更したり、二世帯住宅にする際に部屋を分割して新たな空間を作り出すことも、比較的容易に行うことができます。また、設備の老朽化に伴う更新も容易になります。キッチンやお風呂などの設備もインフィル部分にあたるため、スケルトン部分に影響を与えることなく、最新の設備に交換することが可能です。このように、SI住宅は、ライフステージの変化に合わせて住まいを変化させることができ、世代を超えて長く住み継ぐことができる、持続可能な住宅と言えるでしょう。
建築

スケルトン物件の魅力と注意点

建物は、人間と同じように骨組みがなくては立ち上がりません。この骨組みのことを「躯体(くたい)」と呼び、柱や梁、床、壁、屋根といった主要な構造部分全体を指します。躯体は建物の強度や安定性を確保する上で最も重要な部分であり、いわば建物の骨格と言えるでしょう。人間で言うならば、骨や筋肉が体を支え、外部からの衝撃から守るように、建物の躯体もまた、地震や風、積雪といった様々な外力から家を守り、居住者の安全を確保する役割を担っています。 躯体を構成する要素は、それぞれ重要な役割を担っています。柱は建物の垂直方向の荷重を支え、梁は水平方向の荷重を支えます。床は、人や家具の重さを支え、部屋を形成する役割を果たします。壁は、空間を仕切り、プライバシーを確保するだけでなく、建物の強度を高める役割も担います。屋根は、雨風や日光から建物を守り、居住空間を快適に保ちます。これらの要素が組み合わさることで、初めて建物はしっかりと自立し、安全な居住空間を提供することができるのです。 また、「躯体渡し」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは、マンションなどの集合住宅において、内装が全く施されていない状態、つまりコンクリートがむき出しの状態の部屋のことを指します。一般的に販売されている、壁紙や床材、キッチン、浴室などが設置された状態の完成済みマンションとは異なり、躯体渡しの物件は、購入者が自分の好みに合わせて自由に内装を設計・施工できるというメリットがあります。間取りの変更や設備の選択など、自分の理想の住まいをゼロから作り上げたいという方には、躯体渡しの物件は魅力的な選択肢と言えるでしょう。ただし、内装工事には別途費用と時間がかかるため、その点は注意が必要です。
建築

インフィル:住まいを自由にデザイン

家は、大きく分けて骨組みとそれ以外の部分で構成されています。骨組みは構造躯体と呼ばれ、建物を支える重要な役割を担っています。この構造躯体は、人間の体に例えるなら骨格にあたり、建物の強度や安定性を確保する上で欠かせません。一方、構造躯体以外の部分をインフィルと言います。インフィルは、人間の体に例えるなら、洋服やアクセサリーのようなものです。具体的には、部屋の間仕切りとなる壁や床、天井、キッチンやお風呂、トイレなどの設備、照明器具、カーテンなどがインフィルに該当します。 家を建てる際、構造躯体とインフィルを分けて考えることで、様々なメリットが生まれます。構造躯体を頑丈に作って長く使い続け、インフィルを交換することで、ライフスタイルの変化や家族構成の変化に合わせた住まいを実現できます。例えば、子供が小さいうちは広い子供部屋が必要でも、子供が独立したら、その部屋を夫婦の寝室や趣味の部屋に改装することができます。また、設備機器が古くなったり、壊れたりした場合でも、インフィルだけを交換すれば、住まい全体の建て替えをする必要がありません。これは、まるで洋服を着替えるように、住まいの雰囲気や機能を気軽に変えられるということです。 このように、インフィルは住まいの可変性を高め、暮らしの質を向上させる上で重要な役割を担っています。インフィルを工夫することで、限られた空間を最大限に活用し、より快適で自分らしい住まいを実現することが可能になります。家族構成の変化やライフステージの変化に応じて、住まいを柔軟に変化させられるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。インフィルは、これからの住まいづくりにおいて、ますます重要性を増していくと考えられます。