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おとり広告にご用心!不動産探しの注意点
おとり広告とは、実際には存在しない空想上の物件や、すでに売買が成立した物件を、まるで今も販売しているかのように見せかけてお客様を誘い込む悪質な広告手法です。魅力的な条件を提示することで消費者の購買意欲を掻き立て、問い合わせ後に「申し訳ありません、売れてしまいました」「似たような物件はこちらです」などと別の高額な物件や条件の劣る物件を勧めてくるのが典型的な流れです。
このような広告は、お客様を欺き、不当な利益を得ようとする行為であり、宅地建物取引業法で明確に禁止されています。具体的には、実際には取引できない物件を広告に掲載することは、不実の表示にあたるとされています。また、すでに売却済みの物件を広告から削除せずに放置することも、消費者を誤解させる行為として問題視されます。
おとり広告の目的は、単に顧客を呼び込むことだけではありません。魅力的な物件を提示することで多くの問い合わせを獲得し、その中からより高額な物件を購入させたり、条件の悪い物件を契約させたりすることで、業者は大きな利益を得ることが可能になります。消費者は、当初の好条件に目がくらみ、冷静な判断力を失ってしまうことが多く、結果として不必要な費用を負担させられる可能性があります。このような広告に騙されないためには、物件情報だけでなく、広告主の信頼性も慎重に見極める必要があります。例えば、複数の不動産会社に問い合わせて情報を比較したり、掲載されている物件の周辺環境を自ら確認したりするなど、積極的な情報収集が重要です。少しでも不審な点を感じた場合は、契約を急がず、専門家や消費生活センターに相談することも検討しましょう。