インフィル:住まいを自由にデザイン
不動産の疑問
先生、「インフィル」ってどういう意味ですか?不動産のチラシでよく見かけるんですけど、よく分からなくて。
不動産アドバイザー
そうですね。「インフィル」は簡単に言うと、建物の骨組み以外の部分のことです。例えば、部屋の間仕切りや内装、キッチンやお風呂などの設備が「インフィル」にあたります。建物の骨組みである「スケルトン」と「インフィル」を分けて考えるのがポイントです。
不動産の疑問
骨組みとそれ以外…ですか?つまり、柱や梁は「インフィル」じゃないってことですね?
不動産アドバイザー
その通りです。柱や梁といった建物を支える部分は「スケルトン」です。「スケルトン」と「インフィル」を分けて設計することで、ライフスタイルの変化に合わせて、間取りなどを変えやすくするんですよ。例えば、子供が小さい時は広い部屋が良いけど、大きくなったら部屋を区切りたい、といった場合でも「インフィル」を変えるだけで対応できるんです。
インフィルとは。
「建物」と「家づくり」についての言葉「インフィル」について説明します。インフィルとは、建物を支える骨組み以外の部分、例えば、部屋の仕切りや内装、設備などを指します。建物の骨組みを「スケルトン」と言い、この骨組みとインフィルを分けて設計することで、暮らしの変化に合わせて部屋の配置などを変えることができます。このようにすることで、長い間、快適に暮らすことができるようになります。
インフィルとは
家は、大きく分けて骨組みとそれ以外の部分で構成されています。骨組みは構造躯体と呼ばれ、建物を支える重要な役割を担っています。この構造躯体は、人間の体に例えるなら骨格にあたり、建物の強度や安定性を確保する上で欠かせません。一方、構造躯体以外の部分をインフィルと言います。インフィルは、人間の体に例えるなら、洋服やアクセサリーのようなものです。具体的には、部屋の間仕切りとなる壁や床、天井、キッチンやお風呂、トイレなどの設備、照明器具、カーテンなどがインフィルに該当します。
家を建てる際、構造躯体とインフィルを分けて考えることで、様々なメリットが生まれます。構造躯体を頑丈に作って長く使い続け、インフィルを交換することで、ライフスタイルの変化や家族構成の変化に合わせた住まいを実現できます。例えば、子供が小さいうちは広い子供部屋が必要でも、子供が独立したら、その部屋を夫婦の寝室や趣味の部屋に改装することができます。また、設備機器が古くなったり、壊れたりした場合でも、インフィルだけを交換すれば、住まい全体の建て替えをする必要がありません。これは、まるで洋服を着替えるように、住まいの雰囲気や機能を気軽に変えられるということです。
このように、インフィルは住まいの可変性を高め、暮らしの質を向上させる上で重要な役割を担っています。インフィルを工夫することで、限られた空間を最大限に活用し、より快適で自分らしい住まいを実現することが可能になります。家族構成の変化やライフステージの変化に応じて、住まいを柔軟に変化させられるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。インフィルは、これからの住まいづくりにおいて、ますます重要性を増していくと考えられます。
項目 | 説明 | 役割 | 例 |
---|---|---|---|
構造躯体 | 建物を支える骨組み | 建物の強度・安定性確保 | 人間の骨格 |
インフィル | 構造躯体以外の部分 | 住まいの可変性向上、暮らしの質向上 | 間仕切り壁、床、天井、キッチン、お風呂、トイレ、照明器具、カーテンなど(人間の洋服やアクセサリー) |
スケルトンとインフィルの分離
日本の家屋では、これまで建物の骨組みと内装・設備を一体で造ることが当たり前でした。そのため、部屋の配置換えをしようとすると大掛かりな工事が必要で、費用も時間も多大にかかることが悩みの種でした。
しかし、建物の骨組みと内装・設備を分けて造ることで、部屋の配置換えはぐっと楽になります。例えば、子供が大きくなったので部屋を分けたい、あるいは暮らし方が変わったので居間を広くしたいといった場合でも、比較的簡単に実現できるようになります。
建物の骨組みは建物を支える重要な部分です。地震などにも耐えられるよう、しっかりと設計する必要があります。一方、内装・設備は暮らし方に合わせて変えられるように、変更しやすい柔軟な設計が求められます。
この二つを分けて造ることで、建物は長持ちし、住む人はより快適に暮らせるようになります。骨組み部分を頑丈に造っておけば、内装・設備は古くなったり、家族構成が変わったりした時に気軽に模様替えできます。つまり、住む人のライフスタイルに合わせて家を変化させられるのです。
これは、建物の寿命を延ばすだけでなく、資源の無駄遣いを減らすことにも繋がります。骨組みがしっかりしていれば、内装・設備を取り替えるだけで長く住み続けられるからです。結果として、環境にも優しい住まいを実現できるのです。
従来の住宅 | 新しい住宅 |
---|---|
骨組みと内装・設備が一体 | 骨組みと内装・設備を分離 |
部屋の変更が大掛かりで費用と時間がかかる | 部屋の変更が比較的容易 |
– | 骨組みは頑丈に設計、内装・設備は柔軟に変更可能 |
– | 建物の寿命が延び、資源の無駄遣いを削減 |
– | ライフスタイルの変化への対応が容易 |
インフィルのメリット
住まい手の変化に対応できる自由度の高い間取り変更は、インフィルが持つ大きな利点です。家族が増えたり、子供が独立したりするなど、ライフステージの変化に応じて、間仕切り壁を移動させたり、部屋の数を調整したりすることで、その時々に最適な住空間を実現できます。従来のように、住まい手の変化に合わせて住み替える必要がなく、愛着のある住まいに長く住み続けられることは大きなメリットと言えるでしょう。無駄な空間をなくすことで、光熱費の節約にもつながります。
設備の更新が容易に行える点も、インフィルならではのメリットです。キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備は、経年劣化によって機能が低下したり、デザインが古くなったりすることがあります。インフィルでは、これらの設備を比較的簡単に交換することができるため、常に最新の機能とデザインを享受できます。例えば、節水型のトイレや高効率給湯器を導入することで、光熱費の削減にも貢献します。また、老朽化した配管なども部分的に交換することが容易なため、建物の寿命を延ばすことにもつながります。
内装デザインの変更が容易なことも、インフィルの魅力です。壁紙や床材を張り替えたり、照明器具を交換したりすることで、手軽に部屋の雰囲気を変えることができます。季節に合わせて模様替えを楽しんだり、家族の成長に合わせて子供部屋のデザインを変えたりと、住まい手の好みに合わせた自由な空間づくりが可能です。このように、常に新鮮な気持ちで住まいを楽しむことができるのも、インフィルの大きなメリットと言えるでしょう。自分の好みに合わせた空間で、より快適で豊かな暮らしを送ることができます。
メリット | 詳細 |
---|---|
間取り変更の自由度 | 家族構成の変化などライフステージに合わせて、間仕切り壁の移動や部屋数の調整が可能。住み替えの必要性を減らし、愛着のある住まいに長く住み続けられる。無駄な空間を削減し、光熱費節約にも貢献。 |
設備更新の容易さ | キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備の交換が容易。最新の機能とデザインを享受でき、節水型トイレや高効率給湯器で光熱費削減。老朽化した配管交換も容易で建物の寿命を延ばす。 |
内装変更の容易さ | 壁紙、床材、照明器具の交換で部屋の雰囲気を簡単に変更。季節に合わせた模様替えや、家族の成長に合わせた子供部屋のデザイン変更など、自由な空間づくりが可能。 |
インフィルのデメリット
間仕切りを自由に変更できる、いわゆるインフィルには、いくつかの短所があります。まず、初期費用についてですが、従来の建築工法と比べると高くなることがあります。これは、建物の骨組みであるスケルトンと、内装や設備にあたるインフィルを分けて設計・施工するためです。それぞれの設計を別々に行い、最終的に一つにまとめるには、綿密な計画と入念な調整が必要になり、そのための費用が上乗せされるからです。
次に、設計の自由度が高いという利点の裏には、専門的な知識が必要になるという側面があります。間取りや設備を自由に決められるということは、同時に専門家でなければ気づかないような問題点を見落としがちになるということでもあります。そのため、設計者や施工業者の選定は非常に重要になります。豊富な経験と確かな技術を持つ専門家を選び、設計から施工まで密に相談しながら進めることが、成功への鍵となります。
さらに、将来発生する維持費用についても考える必要があります。例えば、可動間仕切りなどを採用した場合、定期的な点検や部品交換が必要になることがあります。これらの費用は、建物の規模や設備の種類によって大きく変わるため、事前にしっかりと見積もりを取ることが大切です。初期費用だけでなく、長期的な視点に立って、維持管理にかかる費用も考慮に入れて、総合的に判断する必要があります。
このように、インフィルは自由度の高い空間を実現できる一方で、費用面や専門知識の必要性など、いくつかの課題も抱えています。メリットとデメリットをよく理解した上で、導入を検討することが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
初期費用 | スケルトンとインフィルを分けて設計・施工するため、従来の建築工法より高くなる場合がある。綿密な計画と入念な調整が必要になり、そのための費用が上乗せされる。 |
設計の自由度 | 高いため、専門的な知識が必要。設計者や施工業者の選定は非常に重要。豊富な経験と確かな技術を持つ専門家を選び、設計から施工まで密に相談しながら進めることが重要。 |
維持費用 | 可動間仕切りなどは、定期的な点検や部品交換が必要になる場合があり、費用は建物の規模や設備の種類によって大きく変わる。初期費用だけでなく、長期的な視点に立って維持管理にかかる費用も考慮する必要がある。 |
まとめ
住まいは人生の基盤となる大切な場所であり、生涯にわたってそこで過ごす時間を豊かに彩るものでなくてはなりません。人生の様々な変化に柔軟に対応できる住まい、それがインフィルという考え方です。インフィルとは、建物の構造躯体(スケルトン)の中に、間仕切り壁や設備機器などの内装・設備(インフィル)を自由に設置・変更できる建築手法です。家族構成の変化やライフステージの移行、あるいは趣味嗜好の変化など、その時々に応じて住まいの間取りや機能を調整することで、常に最適な住環境を維持することが可能となります。
例えば、子供が独立した後は、使わなくなった子供部屋を趣味の部屋に改装したり、夫婦二人暮らしに適したコンパクトな間取りに変更したりと、その時々の生活様式に合わせた住まいを実現できます。また、将来介護が必要になった場合でも、バリアフリー対応に容易にリフォームできるため、長く安心して住み続けることが出来るのです。このようにインフィルは、住まいの可変性を飛躍的に高め、人生における様々な変化に柔軟に対応できるという大きなメリットを持っています。
しかしながら、インフィルには初期費用やメンテナンス費用といった費用面での負担が生じる場合もあります。初期費用は従来の建築工法と比較して高くなる傾向があり、また、定期的なメンテナンスや更新が必要となるため、長期的な費用計画を立てることが重要です。さらに、建物の構造躯体と内装・設備の取り合い部分など、設計や施工の際に注意すべき点もいくつかあります。専門家との綿密な打ち合わせや入念な計画が、インフィル住宅を成功させる鍵となるでしょう。
このように、インフィルにはメリットだけでなくデメリットも存在しますが、長期的な視点で住まいづくりを考えるのであれば、インフィルはより快適で豊かな暮らしを実現するための、極めて有効な手段となるでしょう。変化する暮らしに寄り添い、常に最適な住環境を提供してくれるインフィルは、これからの住まいの新しい在り方となる大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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インフィルの定義 | 建物の構造躯体(スケルトン)の中に、間仕切り壁や設備機器などの内装・設備(インフィル)を自由に設置・変更できる建築手法 |
メリット |
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デメリット |
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その他 | 長期的な視点で住まいづくりを考えるのであれば、インフィルはより快適で豊かな暮らしを実現するための、極めて有効な手段となる。 |