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マンションPERで賢く選ぶ新築マンション
{集合住宅の一戸当たりの価格とその一戸から得られる年間家賃収入の比率を、集合住宅価格収益率と呼びます}。これは、株式投資で使われる株価収益率の考え方を、集合住宅投資にも当てはめたものです。株式投資における株価収益率は、一株当たりの株価を一株当たりの年間利益で割って計算しますが、集合住宅価格収益率の場合は、一戸当たりの集合住宅価格を年間の家賃収入で割ることで計算します。
例えば、二千万円で購入した集合住宅の一戸から、年間百万円の家賃収入が得られるとします。この場合、集合住宅価格収益率は二十年となります。これは、その集合住宅を一戸まるごと貸し出した場合、二十年間分の家賃収入で物件価格を回収できることを意味します。
一般的に、集合住宅価格収益率が低いほど、投資効率が良いと考えられています。これは、家賃収入によって短い期間で投資額を回収できる可能性が高いことを示唆しています。例えば、集合住宅価格収益率が十年の物件は、二十年の物件に比べて二倍の速さで投資額を回収できる可能性があるということです。
しかしながら、集合住宅価格収益率は、あくまで投資判断材料の一つに過ぎません。集合住宅への投資は、周辺の環境や建物の状態、将来の価格変動など、様々な要因によって影響を受けます。集合住宅価格収益率だけに注目するのではなく、他の要素も総合的に考慮した上で、慎重に投資判断を行う必要があります。例えば、同じ集合住宅価格収益率であっても、人口増加が見込まれる地域にある物件と、人口減少が続く地域にある物件では、将来の収益性に大きな違いが生じる可能性があります。また、建物の老朽化具合や管理体制なども、長期的な収益に影響を与える重要な要素となります。