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建築材料としての積層材:その種類と用途
積層材とは、薄い板材を複数枚重ね合わせて接着剤で強力に圧着し、一体化させた建築材料です。一枚一枚の板材は「単板」と呼ばれ、この単板を繊維方向を揃えて重ねることで、単独の板材よりも強度や寸法安定性に優れた材料を作り出すことができます。積層材は「集成材」とも呼ばれ、住宅から大規模建築物まで幅広く利用されています。
積層材の大きな利点の一つは、木材を有効活用できる点です。小さな木材を繋ぎ合わせて大きな部材を作ることで、資源を無駄なく使えるだけでなく、大きな木材を使う場合に比べて費用を抑えることも可能です。例えば、大断面の梁や柱が必要な場合、天然の大木を使うとなると、入手が難しく価格も高騰しますが、積層材であれば、比較的小さな木材から必要なサイズを作ることができるため、入手しやすく費用も抑えられます。
また、単板を積層する工程で、節や割れなどの欠点を取り除くことができるため、均質で高品質な材料が得られます。天然の木材は、どうしても節や割れ、曲がりなどの欠点が生じますが、積層材はこれらの欠点を含む部分を取り除き、良質な部分だけを使用するため、強度的にも安定した材料となります。さらに、積層材は、単板の厚みや積層方法、使用する接着剤の種類などを調整することで、様々な特性を持たせることができます。例えば、曲げ強度を高くしたり、耐火性を向上させたり、特定の形状に加工しやすくするといったことも可能です。このように、積層材は、高い性能と多様な用途を兼ね備えた、現代建築にとって欠かせない材料と言えるでしょう。