長期優良住宅

記事数:(5)

エコロジー

SI住宅という選択

家は、家族の暮らしを支える大切な場所です。その家は、大きく分けて骨組みと内装の二つの部分から成り立っています。骨組みとは、柱や梁、床、屋根など、建物を支える構造体のことを指します。いわば家の骨格にあたる部分です。一方、内装とは、間取りや壁、床材、キッチン、お風呂などの設備を指し、暮らしの彩りを与える部分です。 従来の家づくりでは、この骨組みと内装が一体化していることがほとんどでした。そのため、家族構成の変化やライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更しようとした場合、大規模な工事が必要となり、多額の費用と時間を要することが一般的でした。 しかし、「スケルトン・インフィル住宅」、略してSI住宅という考え方を取り入れることで、より柔軟で持続可能な家づくりが可能になります。SI住宅とは、骨組みと内装を分離して考えるという設計思想に基づいた住宅のことです。骨組み部分をスケルトン、内装部分をインフィルと呼び、この二つを明確に分けることで、内装部分だけを比較的容易に変更することができるようになります。 例えば、子供が成長し独立した場合、余った部屋の壁を取り壊して広い居間に変更したり、二世帯住宅にする際に部屋を分割して新たな空間を作り出すことも、比較的容易に行うことができます。また、設備の老朽化に伴う更新も容易になります。キッチンやお風呂などの設備もインフィル部分にあたるため、スケルトン部分に影響を与えることなく、最新の設備に交換することが可能です。このように、SI住宅は、ライフステージの変化に合わせて住まいを変化させることができ、世代を超えて長く住み継ぐことができる、持続可能な住宅と言えるでしょう。
エコロジー

百年住宅:CHSという名の快適な暮らし

CHSとは、センチュリーハウジングシステムの略称で、文字通り一世紀にも耐えうる住宅供給の仕組みのことです。 これは、単に丈夫な家を作るだけでなく、設計段階から生産、さらには完成後の維持管理までを、長期的な視点で見据えた総合的な住宅システムです。 このシステムの大きな特徴は、家族構成の変化やライフスタイルの変化に対応できる「可変性」にあります。例えば、子供部屋が必要だった空間を、子供が独立した後には趣味の部屋や書斎に容易に変更できるといった間取りの変更が容易にできるよう、設計段階で工夫が凝らされています。 また、設備や部材の交換も容易に行えるように設計されています。例えば、配管設備の点検や交換を行う際に、壁や床を壊す必要がなく、住宅本体に傷をつけずに作業できるため、修繕費用を抑え、住宅の寿命を延ばすことに繋がります。 さらに、CHS住宅は、耐久性の高い材料や構造を採用していることも重要な点です。風雨や地震などの自然災害に強い構造にすることはもちろん、シロアリなどの害虫被害を受けにくい材料を使用するなど、建物の劣化を防ぎ、長持ちさせるための工夫が凝らされています。 これらの基準を満たした住宅は、CHS住宅、あるいは百年住宅として認定され、長期に安心して暮らせる住まいとして、注目を集めています。世代を超えて住み継ぐことも視野に入れ、環境にも家計にも優しい住まいを実現するのが、CHSの目指すところです。
建築

スケルトンインフィル住宅:未来への投資

家は人生で大きな買い物であり、長く住み続けるものです。だからこそ、家族の成長や変化に合わせて、住まいも変化させられると良いでしょう。その願いを叶えるのが、骨組みと中身を分離した考え方で造られた家、いわゆるスケルトン・インフィル住宅です。 スケルトン・インフィル住宅とは、建物の骨組みとなる構造躯体(スケルトン)と、間取りや内装、設備といった中身(インフィル)を分けて考える建築方法です。 従来の木造住宅や鉄筋コンクリート造の集合住宅では、骨組みと中身が一体となっています。そのため、家族構成の変化や生活様式の変化に合わせて、大規模な模様替えをしようとすると、多大な費用と時間が必要でした。壁を取り壊すにも、建物の構造に関わるため、専門の業者による大掛かりな工事が必要となるからです。 しかし、スケルトン・インフィル住宅では、骨組み部分は耐久性の高い構造体として長く維持するように作られています。そして、中身の部分は、比較的簡単に変更できるようになっています。家族が増えた時には部屋を区切り、子供が独立した時には広い一部屋にする、といった変更が容易にできます。また、将来、介護が必要になった場合にも、手すりや段差解消といったバリアフリー化への改修も比較的容易に行えます。 このように、スケルトン・インフィル住宅は、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを柔軟に変化させることができるため、長い目で見ると経済的で、暮らしにもゆとりが生まれます。人生の様々な変化に合わせ、住まいを自由に変化させられるという安心感は、大きな価値と言えるでしょう。
保険・税金

投資型減税で賢く節税

投資型減税とは、住宅を買う際にかかる費用の一部を税金から差し引くことができる制度です。ただし、この制度は誰もが使えるわけではなく、住宅ローンを使わずに自分の持っているお金で家を買う人が対象となります。つまり、銀行などからお金を借りずに家を買う場合に、条件を満たせば税金が安くなるということです。 この制度ができた背景には、質の高い住宅を増やしたいという国の狙いがあります。質の高い住宅は、断熱性や耐震性などに優れ、快適で安全な暮らしを実現できます。しかし、高性能な住宅を建てるには、どうしても建築費用が高くなってしまいます。特に、ローンを利用せず自分の資金だけで家を買う人にとっては、大きな負担となります。そこで、高性能な住宅を取得した人に減税という形で支援することで、購入者の負担を軽くし、より多くの人が質の高い住宅を手に入れられるようにしました。 具体的には、一定の省エネルギー性や耐震性などを満たした住宅を取得した場合、所得税や住民税から一定額を控除できます。控除額は住宅の性能や取得価額によって異なり、より高性能な住宅を取得するほど、控除額も大きくなります。この制度を活用することで、高性能な住宅を手に入れるための初期費用を抑え、長期的な視点で家計の負担を軽減することができます。また、質の高い住宅に住むことで、光熱費の節約や災害時の安心感など、様々なメリットを享受できます。 結果として、この制度は個人の住宅取得を支援するだけでなく、住宅全体の質を高め、より安全で快適な住環境づくりにも貢献しています。
建築

インフィル:住まいを自由にデザイン

家は、大きく分けて骨組みとそれ以外の部分で構成されています。骨組みは構造躯体と呼ばれ、建物を支える重要な役割を担っています。この構造躯体は、人間の体に例えるなら骨格にあたり、建物の強度や安定性を確保する上で欠かせません。一方、構造躯体以外の部分をインフィルと言います。インフィルは、人間の体に例えるなら、洋服やアクセサリーのようなものです。具体的には、部屋の間仕切りとなる壁や床、天井、キッチンやお風呂、トイレなどの設備、照明器具、カーテンなどがインフィルに該当します。 家を建てる際、構造躯体とインフィルを分けて考えることで、様々なメリットが生まれます。構造躯体を頑丈に作って長く使い続け、インフィルを交換することで、ライフスタイルの変化や家族構成の変化に合わせた住まいを実現できます。例えば、子供が小さいうちは広い子供部屋が必要でも、子供が独立したら、その部屋を夫婦の寝室や趣味の部屋に改装することができます。また、設備機器が古くなったり、壊れたりした場合でも、インフィルだけを交換すれば、住まい全体の建て替えをする必要がありません。これは、まるで洋服を着替えるように、住まいの雰囲気や機能を気軽に変えられるということです。 このように、インフィルは住まいの可変性を高め、暮らしの質を向上させる上で重要な役割を担っています。インフィルを工夫することで、限られた空間を最大限に活用し、より快適で自分らしい住まいを実現することが可能になります。家族構成の変化やライフステージの変化に応じて、住まいを柔軟に変化させられるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。インフィルは、これからの住まいづくりにおいて、ますます重要性を増していくと考えられます。