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万能木材!タモの魅力を探る
タモとは、モクセイ科トネリコ属に分類される落葉広葉樹の総称です。トネリコ、アオダモ、ヤチダモなど数種類の木が含まれ、日本各地の山野に自生しています。北海道から九州まで広く分布していますが、特に冷涼な気候と肥沃な土壌を好むため、山地や丘陵地帯でよく見られます。条件の良い場所では、樹高20メートルを超える大木に成長することもあります。
タモの木は、古くからその美しい木目と丈夫さで知られ、人々に愛用されてきました。木材の色は、淡いクリーム色から落ち着いた茶褐色までと幅広く、木目の表情も豊かです。まっすぐに木取りした柾目には、まるで絹織物のような滑らかで上品な光沢が現れます。一方で、板目には、力強く流れるような模様が現れ、見る者を惹きつけます。この木目の美しさはタモ材最大の魅力と言えるでしょう。
タモ材は強度と粘り強さを兼ね備え、衝撃にも強いという特性を持っています。加工もしやすく、釘打ちや接着も容易なため、建築材や家具材として幅広く利用されてきました。古くは、神社仏閣の建材や、農具の柄、弓などにも用いられてきました。近年では、その優れた特性が見直され、フローリング、家具、内装材、野球のバットやテニスラケットなど、様々な用途で高い人気を誇っています。特に、明るい色合いと美しい木目は、現代的な空間にもよく調和し、自然の温もりを感じさせるインテリアを作り出すのに最適です。また、経年変化による色の深まりも楽しめるため、長く愛用するほどに味わいが増していくのも魅力の一つです。