足場

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建築

キャットウォーク:高い所の通路

「ねこ歩き」と聞くと、室内でねこが行き来するための通路を思い浮かべる方も少なくないでしょう。確かに、住宅の高い場所に設置されたねこ専用の通路もねこ歩きと呼ばれています。しかし、建築や土木の分野では、高い場所で作業を行うための通路としての意味合いが強くなります。劇場や体育館などの高い天井にある照明や設備の点検・修理、または建設現場における高い場所での作業用の足場として利用されます。また、橋やダム、防波堤といった構造物の点検・修理においても、ねこ歩きは作業員の安全な移動経路を確保するために欠かせない存在です。 例えば、劇場では、舞台上部の照明や音響設備の調整・修理のために、天井近くに格子状の通路が設置されていることがよくあります。これがねこ歩きです。作業員はこの通路を伝って安全に移動し、必要な作業を行うことができます。また、建設現場では、建物の外壁に沿って設置されたねこ歩きが、足場としての役割を果たします。作業員は足場の上を移動しながら、外壁の仕上げや塗装などの作業を行います。 橋やダム、防波堤といった構造物においても、ねこ歩きは重要な役割を担っています。これらの構造物は、常に風雨や波浪などの自然の影響にさらされているため、定期的な点検・修理が不可欠です。ねこ歩きは、点検・修理作業を行う作業員に安全な移動経路を提供し、作業の効率性と安全性を向上させます。このように、ねこ歩きは様々な場所で活躍しており、高い場所での作業の効率と安全を守る上で重要な役割を担っています。用途に合わせて形状や材料も様々で、現場の状況に合わせて最適なねこ歩きが選ばれます。例えば、屋内用のねこ歩きはアルミ製である一方、屋外用のねこ歩きは風雨に耐える必要があるため、鋼鉄製であることが多いです。また、耐荷重も用途に合わせて設計されます。
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仮設工事:縁の下の力持ち

建物を建てる時の工事現場では、建物の完成後には撤去される一時的な施設や設備を設置する工事が欠かせません。これを仮設工事と言います。仮設工事は、建物の建築という本工事を行う上で、必要不可欠な準備段階であり、工事の安全と円滑な進行を支える重要な役割を担っています。 仮設工事の種類は多岐に渡ります。まず、工事現場と外部を仕切り、安全を確保するための仮囲いの設置工事があります。歩行者や車両の通行安全を守るだけでなく、工事現場への部外者の立ち入りを防ぎ、盗難や事故の発生を抑制する効果も期待できます。次に、高所作業を行う職人の安全を確保するための足場の組み立て工事も重要な仮設工事です。足場は、作業床や昇降設備などを備え、職人が安全に作業できる環境を提供します。また、資材や完成した建物の部分を風雨や日光から守るための養生も仮設工事の一つです。シートやネットなどを用いて覆うことで、劣化や損傷を防ぎます。さらに、工事現場に電気を供給するための仮設電力設備の設置工事も必要です。発電機や変圧器、配電盤などを設置し、工事用機械や照明などに電力を供給します。加えて、作業員の休憩やトイレのための仮設トイレや休憩所の設置、工事で発生する廃材やゴミを適切に処理するための仮設ゴミ置き場の設置なども仮設工事に含まれます。 このように、仮設工事は、建物の完成後には見えなくなってしまうものですが、工事の安全と効率、そして周辺環境への配慮のために欠かせないものです。まるで縁の下の力持ちのように、建物を建てるという大きな舞台を支えているのです。