資産

記事数:(1)

保険・税金

不動産と償却の関係

償却とは、長期にわたって使用できる固定資産の価値が、時の流れとともに減少していくことを費用として計上する会計処理のことを指します。正式には減価償却と呼ばれ、建物や機械装置、車両など、企業が事業活動を行うために使用する資産は、使用していくうちに徐々に価値が低下していきます。この価値の減少分を、耐用年数と呼ばれる使用可能な期間にわたって、毎年少しずつ費用として計上していく会計処理が償却です。 例えば、1,000万円で購入した機械を10年間使用できると仮定します。この場合、機械の耐用年数は10年となり、毎年100万円ずつ費用として計上していくことになります。これを10年間続けると、合計で1,000万円の費用が計上されることになります。 なぜこのような会計処理を行うのかというと、一度に大きな費用を計上するのではなく、資産が収益を生み出す期間にわたって費用を配分することで、より正確な利益を計算するためです。 もし、1,000万円の機械を購入した年に全額費用として計上してしまうと、その年の利益は大きく減少してしまいます。しかし、実際には機械は10年間使用できるため、その機械を使用して得られた収益と、機械の価値の減少分を対応させることで、各年度の収益と費用を適切に把握し、より正確な利益を算出することが可能になります。 つまり、償却は企業の財務状況を正しく理解し、健全な経営判断を行うために不可欠な会計処理と言えるでしょう。