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質権設定者とは?不動産担保の基礎知識
質権設定者とは、自分の財産を担保にお金を借りる時に、その担保を提供する人のことです。言い換えれば、借りたお金を返す確実性を高めるために、自分の持ち物を保証として差し出す人のことを指します。
お金を貸す側、つまり債権者に対して、返済を確実にするため、自分の財産を担保として提供する約束事を交わします。この約束事を質権設定契約と言い、担保を提供する人を質権設定者と呼びます。
多くの場合、質権設定者は、お金を借りる本人、つまり債務者です。これは、お金を借りる人が、そのまま自分の財産を担保として提供する形です。例えば、家を買うためにお金を借りる際、その家自体を担保にするといった場合です。
しかし、必ずしもお金を借りる本人が担保を提供する必要はありません。第三者が担保を提供することもできます。この第三者を物上保証人と呼びます。物上保証人は、お金を借りた人の代わりに、自分の財産を担保として提供します。例えば、子供が事業を始めるためにお金を借りる際、親が自分の土地建物を担保として提供する、といった場合が考えられます。
質権設定者が担保として提供した財産は、質権設定者が引き続き使用したり管理したりできます。質権設定者は、担保に設定したからといって、その財産に対する権利を全て失うわけではありません。あくまで、お金を借りた人が返済できなくなった場合に、債権者がその財産を売却して、貸したお金を回収する権利を持つというものです。つまり、担保は、お金を確実に返済してもらうための保証であり、質権設定者は、返済義務を果たせば、担保として提供した財産に対する権利を維持できます。