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不動産取引の落とし穴:不実告知とは?
家や土地などの売買をする際、売り手が事実と違うことを伝えることで、買い手が勘違いをして契約してしまうことがあります。これを不実告知と言います。不実告知は、買い手を保護するための大切な仕組みです。
不実告知とは、簡単に言えば、売り手が物件の大切な情報を偽って伝え、買い手がその嘘を信じて契約した場合に、契約を取り消すことができるというものです。例えば、家の近くに大きな工場が建つ予定があるのに、売り手から「静かで環境の良い場所」と説明され、後から工場建設を知って後悔する、といった場合がこれに当たります。
売り手がわざと嘘をついたかどうかに関わらず、事実と違う説明で買い手が勘違いをして契約に至ったという点が重要です。つまり、売り手に悪気がなかったとしても、買い手が重要な情報を知らずに契約した場合は、不実告知とみなされる可能性があります。
この制度は、情報量の少ない買い手を守るためのものです。売り手は、買い手に対して、物件に関する良い点だけでなく、悪い点も含めて、ありのままを伝える義務があります。もし、売り手が重要な情報を隠したり、事実と違うことを伝えたりした場合、買い手は損をする可能性があります。
不実告知は、契約を取り消すことができるだけでなく、損害賠償請求もできる場合があります。悪質な業者に騙されないために、この制度についてきちんと理解しておくことが大切です。家や土地の購入は大きな買い物ですから、慎重に判断し、疑問があれば専門家に相談するようにしましょう。