時価

記事数:(2)

保険・税金

不動産評価額を知る

財産を測る物差しにはいろいろな種類があり、それぞれ目的や計算方法が違います。そのため、同じ建物や土地でも、物差しによって測られた値が変わってくるのです。主な物差しには、実勢価格、公示地価、相続税評価額、固定資産税評価額、鑑定評価額の五種類があります。 まず、実勢価格は、市場で実際に売買された値段のことです。これは、需要と供給の関係で常に変動します。家の売買の目安となる金額です。次に、公示地価は、国土交通省が毎年1月1日時点の標準的な土地の値段を公表するものです。都市計画区域内の土地が対象で、土地の売買の指標や公共事業で土地を買い取る際の金額を決める際に使われます。 三つ目に、相続税評価額は、相続が発生した時に相続税を計算するための基準となる値段です。路線価方式や倍率方式といった計算方法で算出されます。四つ目に、固定資産税評価額は、毎年1月1日時点の値段を基準に計算され、固定資産税や都市計画税といった税金を計算するもとになります。最後に、鑑定評価額は、不動産鑑定士と呼ばれる専門家が、決められたルールに従って算出した値段です。不動産の売買や、お金を借りる際の担保評価、相続財産を分ける時などに利用されます。 このように、それぞれの物差しは計算方法や目的が違うため、同じ建物や土地でも値段が違ってきます。ですから、何のために値段を知りたいのかによって、どの物差しを使うかを選ぶことが大切です。目的に合った物差しを使うことで、適切な判断材料を得ることができるでしょう。
売買関連

不動産の時価とは?

時価とは、ある時点での市場における取引価格、つまり市場で成立する価格のことです。分かりやすく言うと、今まさに売買するとしたら、どれくらいの価格になるのかを示すものです。 株式や債券のように毎日のように価格が変わるものと違い、不動産は取引が頻繁に行われるわけではありません。そのため、市場価格を簡単に見つけることが難しい場合もあります。そのような場合には、様々な要因を考え合わせて、道理にかなった形で計算した価格が時価となります。 では、どのような要因が価格に影響するのでしょうか。まず挙げられるのは、需要と供給の関係です。買いたい人が多ければ価格は上がり、売りたい人が多ければ価格は下がります。 次に、経済の状況も大きな影響を与えます。景気が良ければ不動産への投資も活発になり、価格は上昇傾向になります。逆に景気が悪くなると、価格は下落しやすくなります。 さらに、個々の物件の状態も価格を左右する重要な要素です。築年数、間取り、設備、周辺環境など、物件固有の特性によって価格は大きく変わります。同じ地域にあっても、駅からの距離や日当たり、周辺の施設の充実度などによって、価格に差が生じるのは当然のことです。 不動産は、株や債券のように毎日価格が変動するものではありませんが、市場の動きや経済の状況、物件の状態などによって価格は常に変化しています。そのため、不動産の時価を正しく把握することは、売買や評価を行う上で非常に大切になります。 時価を算出する方法はいくつかあります。例えば、取引事例比較法は、近隣で最近取引された似たような物件の価格を参考に、対象物件の価格を推定する方法です。また、原価法は、対象物件を新しく建て替えるのにいくらかかるかを計算し、そこから減価修正を行うことで時価を求める方法です。さらに、収益還元法は、対象物件から得られるであろう将来の収益を現在価値に換算することで時価を算出する方法です。どの方法が適切かは、物件の種類や状況によって異なります。