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両開きの扉:ゆとりと開放感
両開きの扉とは、中央で二枚の扉が左右に分かれ、それぞれ外側または内側に開く構造を持った扉のことを指します。二枚の扉が合わさることで中央に縦の線が生まれ、左右対称の美しい均整のとれた印象を与えます。そのため、格式高い雰囲気を演出したい場所に選ばれることが多く、ホテルの宴会場や高級マンションのエントランスなど、様々な場面でその姿を目にすることができます。
一枚扉と比べて開口部を広く取ることができる点が大きな特徴です。扉を大きく開け放つことで、開放感とゆとりある空間を演出できるだけでなく、大きな家具や機材などの搬入・搬出も容易になります。これは、住宅においてもメリットとなるでしょう。例えば、大きな家具を配置するリビングや、車椅子を利用する家族がいる場合のバリアフリー化にも役立ちます。また、お店であれば、商品搬入のしやすさや、お客の出入りのしやすさにつながるでしょう。
一方で、両開きの扉を設置する際には、扉の開閉に必要なスペースを十分に確保する必要がある点に注意が必要です。一枚扉の場合に比べて、扉の可動域が左右に広がるため、扉の前に十分な空間がないと、扉が壁や家具にぶつかったり、通行の妨げになったりする可能性があります。また、風の影響を受けやすい場所では、急に扉が開閉して思わぬ事故につながる可能性も考えられます。そのため、設置場所の広さや周辺環境を考慮し、扉のサイズや開閉方向を適切に選ぶことが重要です。設置場所の採寸だけでなく、扉を開けた際に人が通れる十分な動線を確保できるか、周辺の家具配置との兼ね合いなども事前に綿密に計画する必要があります。さらに、建物の構造によっては、両開きの扉を設置するために壁の補強工事が必要となる場合もあります。