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換気回数で快適な住まい
住宅における空気の入れ替わりの度合いを示す指標として、「換気回数」というものがあります。これは、ある部屋の空気が1時間あたりに何回入れ替わるかを示す数値で、「回/時」という単位を用います。例えば、6畳の部屋で換気回数が1回/時だった場合、1時間にその6畳の部屋の体積と同じ量の空気が入れ替わっていることを意味します。
この換気回数は、建物の用途によって適切な値が定められています。例えば、事務所や店舗など人が多く集まる場所では、1時間に5回以上空気が入れ替わるのが望ましいとされています。これは、人が呼吸をすることで二酸化炭素濃度が上昇したり、臭いやウイルスなどが拡散するのを防ぐためです。一方、住宅の場合は、シックハウス症候群の防止や結露の発生を抑えることを目的として、建築基準法によって居室は1時間に0.5回以上の換気が義務付けられています。これは、0.5回という値は最低限の基準であり、より快適な居住環境のためには、それ以上の換気が推奨されます。
換気回数を上げるためには、窓を開けるという方法が最も手軽ですが、窓を開けっ放しにするのは防犯上や温度管理の面で問題があります。そこで、換気扇や換気口を設けることで、常時換気を行うことが重要になります。最近では、熱交換機能付きの換気システムも普及しており、室内の温度を保ちながら効率的に換気を行うことが可能となっています。新鮮な空気を取り込み、汚れた空気を排出することで、室内の空気環境を改善し、健康で快適な生活を送るために、換気回数は重要な役割を果たしていると言えるでしょう。