弁済供託

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賃貸

家賃滞納を防ぐ供託とは?

供託とは、法務局管轄の供託所にお金や株券などを預けることで、契約上の義務を果たしたり、権利を守ったりするための制度です。お金のやり取りで起こりうる様々な問題を解決する手段として、法律で定められています。 不動産の取引では、地代や家賃の支払いが滞る場合によく利用されます。例えば、大家さんの居場所がわからず家賃を誰に支払えば良いのか不明な場合、借主は家賃を供託所に預けることができます。こうすることで、家賃を支払っていないとみなされることなく、無事に賃貸契約を続けることができます。また、大家さんが家賃の受け取りを拒否した場合も、借主は供託することで債務不履行を避けることができます。 供託は、民法や供託法といった法律に基づいて行われます。正しい手順に従って供託することで、お金の支払いをめぐるトラブルによる損失を防ぐことができます。供託されたお金や株券などは、本来受け取るべき人が請求すれば受け取ることができます。しかし、一定の期間、誰も請求しなかった場合は国庫に納められます。 供託にはいくつかの種類があります。弁済供託は、債権者に支払うべきお金を供託するもので、前述の家賃滞納のケースなどが該当します。保証供託は、契約の履行を保証するために担保としてお金を供託するものです。例えば、工事請負契約において請負業者が契約を履行しない場合に備えて、発注者がお金を供託することがあります。保管供託は、将来誰かに渡すべきお金や物などを一時的に供託所で保管してもらうものです。 家賃の支払い以外にも、敷金の返還をめぐるトラブルを避けるためにも供託は役立ちます。賃貸契約が終了した際に、大家さんが敷金を返還してくれない場合、借主は敷金を供託することで自分の権利を守ることができます。このように、供託は不動産取引における様々な場面で活用できる、大切な制度です。