建築手法

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建築

スケルトン構造:長く快適に暮らすための選択

建物は、人間でいう骨格に当たる構造体によって支えられています。これを構造躯体と呼び、建物の安全性や寿命を左右する極めて重要な要素です。構造躯体は、主に基礎、基礎杭、壁、柱といった部分から構成され、それぞれが重要な役割を担っています。 まず、基礎は建物の土台となる部分です。地面に直接接し、建物の重さを地盤に伝えます。地盤の強さに応じて適切な基礎を選ばなければ、建物が傾いたり、沈下したりする危険性があります。基礎には、直接基礎、杭基礎など様々な種類があり、建物の規模や地盤の状態に合わせて最適な基礎が選ばれます。 次に、基礎杭は、軟弱な地盤の場合に採用される支持材です。地盤の深いところにある固い地層まで杭を打ち込み、建物の重さを支えます。杭を深く打ち込むことで、建物の安定性を高めることができます。 そして、壁と柱は、建物の形を維持し、屋根や床などの荷重を支える役割を担います。柱は、建物の垂直方向の荷重を支える主要な構造部材で、壁は、柱と柱の間を繋ぎ、水平方向の力に抵抗します。地震や強風などの外力を受けた際に、壁と柱がバランス良く配置されていることで、建物全体が安定します。 このように、構造躯体は建物の安全性を確保する上で非常に重要な役割を果たしています。まるで人間の骨格のように、建物をしっかりと支え、私たちが安心して暮らせる空間を提供してくれているのです。
エコロジー

太陽熱で快適に!トロンプウォールの魅力

南向きの壁に設置された、太陽熱を蓄える壁のことを「集熱壁」と呼びます。この壁は、太陽の光を効率よく吸収し、熱に変換するように作られています。具体的には、コンクリートやレンガなどの蓄熱性の高い材料で作られた壁の表面を黒く塗装することで、太陽光の吸収率を高めています。また、集熱壁の前面にはガラスや透明な樹脂の板などを設置し、温室効果を高めています。太陽光がガラスを透過すると、集熱壁に吸収されて熱に変換されます。この熱は、ガラスによって外に逃げにくくなるため、集熱壁の温度はさらに上昇します。 集熱壁に蓄えられた熱は、壁の内部に設置された空気の通り道を通じて、室内へと送られます。日中は、太陽の光を受けて温められた空気が、自然対流によってこの空気の通り道を上昇し、室内へと流れ込みます。これにより、室内の温度を暖房を使うことなく快適に保つことができます。夜間や曇りの日には、日中に集熱壁に蓄えられた熱が、ゆっくりと室内に放出されます。集熱壁は、いわば太陽熱の貯金箱のような役割を果たしているのです。 このような太陽熱を利用した仕組みは、化石燃料の使用量を削減し、二酸化炭素の排出量を抑えることができるため、環境に大変優しいと言えます。また、光熱費の節約にもつながるため、家計にも優しい仕組みです。太陽の恵みを最大限に活用することで、快適な居住空間を実現するとともに、持続可能な社会の実現にも貢献することができます。