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妻側:建物の側面について
家を真上から見下ろした様子を想像してみてください。屋根の一番高いところから地面に向かってまっすぐ線を引きます。この線に沿って屋根が左右に傾斜している面があります。この傾斜面に垂直な家の側面、つまり、屋根の傾斜と直角に交わる壁の部分を『妻側』または『妻面』と言います。屋根の傾斜方向に平行な側面は『平側』と呼ばれ、妻側とは反対方向の側面にあたります。
妻側は、家の外観を決める重要な要素です。屋根の形や窓の配置によって、様々な表情を生み出します。例えば、三角形の形をした切妻屋根の場合、屋根の斜面に沿って壁が切り取られたような形になります。そのため、妻側の壁のデザインは家の正面からの印象を大きく左右するのです。
切妻屋根以外にも、寄棟屋根や入母屋屋根など、様々な屋根の形と組み合わせて妻側が作られます。寄棟屋根は、屋根の斜面が四方に傾斜している屋根で、それぞれの面に妻側が作られます。入母屋屋根は、上部は寄棟屋根、下部は切妻屋根という複雑な構造で、それぞれの屋根の形状に合わせて妻側も変化に富んだデザインとなります。
妻側のデザインは、家の美しさだけでなく、構造や機能にも影響を与えます。例えば、妻側の壁に窓を設けることで、採光や通風を確保することができます。また、妻側の壁面に装飾を施したり、異なる素材を使用することで、個性的な外観を演出することも可能です。このように、妻側は家のデザインを考える上で重要な要素であり、様々な工夫を凝らすことで、より美しく、快適な住まいを実現することができます。