家相

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建築

鬼門について考えよう!

北東の方角を指す言葉である「鬼門」について、詳しく説明します。鬼門とは、陰陽道において、鬼が出入りする方角、つまり、この世とあの世の境目と考えられており、不吉な方角とされています。古来より日本には、家相や方位を重んじる文化があり、この鬼門の方角には水場や厠、玄関などを配置することを避けてきました。なぜなら、鬼門から邪気が入り込み、家の中に災いをもたらすと信じられていたからです。 具体的に鬼門とは、北東の丑寅(うしとら)の方角、つまり北を基準に30度から60度までの範囲を指します。この方角は、古来より、冷たく湿った風が吹き込みやすく、また、日の光が当たりにくい場所とされていました。そのため、カビや害虫が発生しやすく、不衛生になりがちな場所でした。このような環境的な要因も相まって、鬼門は不吉な方角と考えられるようになったのかもしれません。 反対に、鬼門の正反対にあたる南西の方角は「裏鬼門」と呼ばれています。裏鬼門は、鬼が出入りする鬼門とは異なり、鬼が帰る方角と考えられていますが、こちらも鬼門と同様に重要な方角とされています。裏鬼門も鬼門と同じく、水場や厠などを配置するのは避けた方が良いとされています。 現代でも、鬼門を意識した家づくりを行う人々は少なくありません。例えば、鬼門の方角に樹木を植えて邪気を払ったり、鬼門除けのお守りを置いたりするなど、様々な工夫が凝らされています。鬼門の考え方は、迷信と捉えることもできますが、日本の伝統的な文化や風習を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。私たちの先祖が大切にしてきた知恵や教えに触れることで、より豊かな生活を送ることができるかもしれません。