
実測売買:土地売買の基礎知識
実測売買とは、土地を売買する際、実際に測量した面積を基に取引を行う方法です。人生における大きな買い物の一つである土地の売買において、面積は取引金額に直結する非常に大切な要素です。そのため、売主と買主双方にとって、正確な面積を把握することは必要不可欠です。
実測売買では、売買契約を結ぶ前に土地家屋調査士に依頼して土地の面積を測量します。そして、その実測に基づいた面積を用いて売買価格を決めます。登記簿に記載されている面積と実際に測量した面積に違いがあった場合でも、実測売買であれば、先に測量した面積で売買価格を決めているため、後から取引金額が変わるといったトラブルを防ぐことができます。
例えば、登記簿上の面積よりも実際の面積が狭かった場合、登記簿面積に基づいて売買契約を締結していると、買主は本来支払うべき金額よりも多く支払ってしまう可能性があります。反対に、実際の面積が広かった場合、売主は本来受け取れるべき金額よりも少ない金額で土地を手放してしまう可能性があります。実測売買では、このような売買後に金額が変動するリスクを回避できます。
また、測量を行うことで境界が明確になるため、隣の家との境界線を巡る争いを防ぐ効果も期待できます。境界が曖昧なまま土地の売買を行うと、後々隣家との間で境界紛争が発生する可能性があります。実測売買では、境界標を設置することで境界線を明確化し、将来的なトラブル発生のリスクを減らすことができます。
このように、実測売買は面積に関する認識の違いを防ぎ、公正な取引を実現するために有効な手段と言えるでしょう。売主、買主双方にとって安心できる取引を行うために、実測売買を選択肢の一つとして検討してみる価値は十分にあります。