実施設計

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建築

実施設計とは何か?その詳細な役割を解説

家を建てる時の設計図には、段階があります。まず、どんな家に住みたいか、家族構成や生活スタイルなどを考慮して、大まかな間取りや外観を決めます。これが基本設計です。基本設計では、夢を膨らませながら、理想の家のイメージを形作っていきます。そして、この基本設計をもとに、より具体的な設計を行うのが、実施設計です。実施設計は、実際に建物を建てるための詳細な設計図を作成する作業です。 実施設計では、基本設計で決めた内容をさらに具体化し、建築工事を行うために必要なあらゆる情報を盛り込みます。例えば、柱や梁、壁などの構造に関する寸法や配置、使用する材料の種類や強度、窓やドアの大きさや位置、配管や配線、コンセントの位置、照明器具の種類や数、空調設備、キッチンや浴室などの設備機器の種類や仕様など、建物の細部に至るまで詳細に設計します。また、建物の内外装の仕上げ材の種類や色、模様なども決定します。実施設計図は、施工業者が正確に工事を進めるためのいわば設計図面の完成形であり、建物の完成度を左右する重要な役割を担います。 実施設計は、建築基準法や消防法などの関係法規に適合しているかどうかの確認、構造計算、設備設計、積算など、専門的な知識と技術を要する複雑な作業です。そのため、実施設計は、一級建築士などの資格を持つ専門家によって行われます。実施設計図が完成すると、施工業者に見積もりを依頼し、工事請負契約を結びます。そして、いよいよ着工となり、設計図に基づいて工事が進められ、夢のマイホームが完成します。このように、実施設計は、家を建てる上で非常に重要な役割を担っているのです。