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宅地:建物を建てる土地について
住まいを建てる土地、あるいは既に住まいが建っている土地。これらをまとめて私たちは『宅地』と呼びます。生活の基盤となる大切な場所である宅地ですが、実はその定義は法律によって微妙に異なります。
例えば、住まいの売買や賃貸を扱う『宅地建物取引業法』では、既に住まいが建っている土地はもちろんのこと、これから住まいを建てる目的で取引される土地も宅地に含まれます。さらに、公園や河川、道路といったみんなが使う土地以外の、用途地域に定められた土地も宅地に含まれるのです。
一方、『宅地造成等規制法』における宅地の定義は少し異なります。こちらは、田畑や牧草地、森林、そして道路や公園、河川といった公共の施設用地以外の土地を宅地と定めています。
このように、同じ『宅地』という言葉でも、どの法律で考えるかによって解釈が変わるため、注意が必要です。法律の専門家でなくても、それぞれの法律が何を目指しているかを知れば、違いも理解しやすくなります。
『宅地建物取引業法』は、不動産取引が公正に行われ、消費者が不利益を被らないようにすることを目指しています。そのため、取引の対象となる土地を幅広く捉え、取引内容を明らかにすることで、公正さを保とうとしているのです。
一方、『宅地造成等規制法』は、宅地造成にともなう災害を防ぎ、安全な住環境を守ることを目指しています。そのため、造成工事が必要となる可能性のある土地を広く宅地と定義することで、規制の対象を広げ、災害発生の危険性を減らそうとしているのです。法律によって定義が異なるのは、それぞれの法律の目的が違うからと言えるでしょう。