大気汚染

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エコロジー

住まいの空気とVOC対策

揮発性有機化合物とは、常温で容易に気体となる有機化合物の総称です。私たちの暮らしの中で広く使われている、塗料や接着剤、洗浄剤、家具、建材など、様々な物に含まれています。 これらの揮発性有機化合物は、数百種類にも及ぶ多種多様な物質で構成されています。代表的なものとしては、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなどが挙げられます。 揮発性有機化合物は、大気汚染や健康被害の原因となることが懸念されています。屋外では、太陽光線と反応して光化学スモッグを引き起こし、大気を汚染します。光化学スモッグは、視界不良を引き起こすだけでなく、呼吸器系の疾患を悪化させる可能性もあります。 一方、屋内では、シックハウス症候群の原因物質となることが知られています。シックハウス症候群は、目がちかちかしたり、鼻水やくしゃみが出たり、のどが痛くなったり、頭痛やめまい、吐き気などを引き起こします。これらの症状は、揮発性有機化合物の濃度が高いほど強く現れる傾向があります。 特に、新築やリフォーム直後の住宅は、建材や家具などから揮発性有機化合物が多く放出されるため、注意が必要です。住宅を建てる際には、揮発性有機化合物の放出量が少ない建材を選ぶ、家具は設置前に風通しの良い場所でしばらく保管する、完成後も定期的に換気を行うなど、揮発性有機化合物の濃度を低減するための対策を講じることが大切です。また、家具を選ぶ際にも、揮発性有機化合物の放出量が少ない製品を選ぶように心がけることが重要です。日頃から換気を心がけ、空気清浄機を利用するなど、室内環境を整えることも有効な手段です。
法律・規制

無過失責任とは?不動産・建築の視点から

損害を賠償する責任、つまり賠償責任には、損害を与えた者に落ち度があること、すなわち故意や過失が必要となるのが原則です。しかし、世の中には、故意や過失がなくても、損害を与えたという結果のみに基づいて賠償責任が発生するケースがあります。これを無過失責任といいます。 無過失責任は、ある特定の行為や事業に伴う危険性に着目し、万が一事故が発生した場合、被害者の迅速な救済を図ることを目的とした制度です。例えば、建築工事中に資材が落下し、通行人にけがをさせてしまったとしましょう。たとえ工事業者が安全対策を万全に期していたとしても、無過失責任が適用される場合、工事業者は通行人に対する賠償責任を負う可能性があります。つまり、結果として損害が生じたという事実のみで、責任を問われるのです。 無過失責任を定めることで、危険な行為や事業を行う者に対して、より一層の注意を払うよう促し、事故の発生そのものを抑止する効果も期待できます。無過失責任が適用される場面としては、建築工事の他、自動車の運行、製品の欠陥による損害などが挙げられます。これらの行為や事業は、人々の生活に密接に関わっている一方で、重大な事故につながる危険性をはらんでいるため、被害者保護の観点から、無過失責任が適用されるのです。無過失責任を負うことになったとしても、損害の発生に故意または重大な過失があるなど、一定の要件を満たせば責任を軽減あるいは免れることができる場合もあります。