売却

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契約・手続き

不動産の共有名義:知っておくべき基礎知識

共有名義とは、一つの土地や建物を複数人で所有することを指します。共有者それぞれが、その不動産全体に対する所有権を持つという点が重要なポイントです。例えば、親から子へ土地が相続され、兄弟姉妹で共有することになったり、夫婦で住宅ローンを組んで家を購入し、夫婦共有名義で登記したりするケースが挙げられます。 一見単純な仕組みに見えますが、共有名義には『共有部分』と『持分』という二つの重要な概念があります。この二つを理解していないと、将来、売却や管理などで思わぬトラブルに発展する可能性があります。 まず、『共有部分』とは、マンションの共有廊下やエレベーターなど、皆で使う場所を指すのではありません。共有名義における共有部分とは、土地や建物全体を指します。つまり、共有者全員が、その不動産全体に対する所有権を持っているということです。例えば、兄弟で家を共有名義にした場合、兄も弟も、その家全体に対する所有権を有していることになります。 次に『持分』とは、共有者それぞれが所有する割合のことです。例えば、兄弟で家を共有名義にし、兄が2/3、弟が1/3の持分を持っているとします。この場合、兄の方が所有割合が大きいため、家の売却などの重要な決定事項において、兄の発言力が大きくなります。 このように、共有名義は共有部分と持分の概念が複雑に絡み合っています。それぞれの権利関係をしっかりと理解しておくことが、将来のトラブル防止に繋がると言えるでしょう。
土地に関すること

古家付き土地の購入を検討する

古家とは、文字通り古い家のことを指します。明確な築年数で区切られる定義はなく、一般的には築年数が経過し、老朽化が進んでいる住宅のことを言います。新しい家と比べると設備が古くなっていたり、建材の劣化が見られることが多いです。 古家の状態は様々です。比較的状態の良いものから、雨漏りやシロアリ被害などで損傷が激しいもの、中には倒壊の危険性があるものまであります。そのため、古家を購入する際は、専門家による建物の状態の確認が欠かせません。外壁のひび割れや、床の傾き、屋根の状態などをしっかり確認する必要があります。 古家が建っている土地は「古家付き土地」と呼ばれ、更地とは異なる扱いをされます。更地は何も建っていない土地なので、すぐに新しい建物を建てることができます。一方、古家付き土地の場合は、まず既存の建物を解体する必要があります。この解体費用は決して安くなく、数十万円から数百万円かかることもあります。また、解体工事には騒音や振動、粉塵などが発生するため、近隣住民への配慮も必要です。さらに、古家の解体には asbestos(石綿)などの有害物質が含まれている可能性もあるため、適切な処理が必要になります。これらの費用や手続きを考慮すると、更地を購入するよりも割高になる場合もあります。 しかし、古家付き土地にはメリットもあります。更地に比べて価格が安い場合が多く、購入しやすいという点です。また、古家の状態が良ければ、リフォームして住むことも可能です。リフォームすることで、新築よりも費用を抑えながら、自分の好みに合わせた住まいを手に入れることができます。古家付き土地の購入を検討する際は、建物の状態、解体費用、近隣環境などを総合的に判断し、慎重に検討することが大切です。
売買関連

住宅ローンと残債の基礎知識

住宅購入などで金融機関からお金を借り入れた場合、借りたお金には返済しなければならない金額があります。これを残債と言います。簡単に言うと、まだ返済が終わっていない借金の額のことです。例えば、家を建てるため3000万円の住宅ローンを借りたとしましょう。毎月きちんと返済を続けていたとしても、完済するまでは常に残債があります。 この残債の金額は、元々の借入金額、返済期間、金利、そして毎月の返済額によって変化します。3000万円を借り入れたとしても、10年間毎月返済を続ければ、借入当初に比べて残債は少なくなっています。毎月の返済額が多いほど、残債は早く減っていきます。また、金利が低いほど、返済額のうち元本に充てられる割合が増えるため、残債減少のペースも速くなります。 残債は住宅を売却する際に非常に重要な要素となります。もし住宅ローンの残債が売却額を上回ってしまうと、売却してもローンを完済できない状態、いわゆる「負動産」になってしまう可能性があります。住宅ローンを借りる際は、将来の売却も見据えて、無理のない返済計画を立てることが大切です。定期的に残債を確認し、返済状況を把握することも重要です。残債の確認は、金融機関の窓口、インターネットのホームページ、書類、電話などで確認することができます。
売買関連

住宅ローン残債:売却時の注意点

住まいを買うためにお金を借りたとき、まだ返し終わっていないお金のことを住宅ローンの残債といいます。簡単に言うと、借りたお金のうち、まだ返していない残りの金額のことです。これは、ローン残高と呼ばれることもあります。 例えば、家を建てるため、あるいは買うために、銀行などからお金を借ります。この借りたお金を住宅ローンと言います。そして、毎月決まった日に、借りたお金の一部と、そのお金を使ったことに対する手数料である利息を合わせて返していきます。 毎月きちんと返済していても、完済するまでは、常に残債、つまり借金が残っている状態です。毎月の返済額のうち、借りたお金そのものの返済にあてられる金額は、月が経つごとに少しずつ増えていきます。とはいえ、住宅ローンは一般的に長い期間をかけて返済していくものなので、借入当初は利息の支払いが多く、なかなか元金の返済が進まないように感じられることもあります。 そのため、きちんと返済計画を立て、無理なく返済を進めていくためには、住宅ローンの残債がどれくらい残っているのかをきちんと把握しておくことがとても大切です。残債をきちんと確認することで、家計の管理もしやすくなりますし、将来設計も立てやすくなります。また、繰り上げ返済を検討する際にも、残債の金額を把握しておくことは必須です。 住宅ローンの残債は、インターネットバンキングや金融機関の窓口、郵送で送られてくる明細書などで確認することができます。定期的に確認することで、安心して返済を進めていきましょう。
売買関連

公売で不動産を取得する方法

公売とは、税金を滞納した人の所有物を国や地方公共団体が売却し、未納の税金を回収する手続きです。滞納されている税金には、国に納める税金(所得税、法人税など)と地方自治体に納める税金(固定資産税、住民税など)があります。これらの税金を納め続けずにいると、やがて所有物が差し押さえられ、公売にかけられることになります。言い換えれば、公売とは税金を納めない人への最後の手段と言えるでしょう。 公売の対象となる所有物は様々です。土地や建物といった不動産だけでなく、自動車や貴金属などの動産も含まれます。これらの所有物は、所有者の滞納した税金の額を補填するために売却されます。公売への参加は誰でも可能です。税金を滞納した本人やその関係者であっても参加が認められています。これは、公売の透明性と公平性を確保するための重要な原則です。 公売は通常、裁判所や税務署などの公の機関で行われ、手続きはすべて公開の場で行われます。そのため、不正が行われる余地はほとんどありません。公売は、透明性が高く、適正な価格で所有物を取得できる可能性があるため、近年、投資の手段としても注目を集めています。しかし、公売物件には瑕疵がある場合もありますので、入札前に物件をよく調べておくことが大切です。例えば、建物の老朽化や地中埋設物など、予期せぬ問題が発生する可能性も考慮に入れておく必要があります。さらに、公売物件を購入した場合は、その所有物に付随する権利や義務も引き継ぐことになるため、注意が必要です。
売買関連

譲渡と売却:違いを理解する

譲渡とは、ある物の所有権を他の人に移すことを言います。この「物」は、土地や建物といった不動産だけでなく、目に見えない権利である著作権や特許権、株や債券なども含まれます。譲渡は私たちの暮らしの中で様々な形で現れ、所有権が誰から誰に移るのかによって、幾つかの種類に分けることができます。 まず、お金を介して所有権が移転する場合を考えてみましょう。例えば、土地や建物を売買する場合がこれに当たります。売主は買主からお金を受け取る代わりに、土地や建物の所有権を買主に渡します。このように、対価を伴う譲渡は有償譲渡と呼ばれます。 一方、お金のやり取りなく所有権が移転する場合もあります。例えば、親が子供に土地を贈与する場合、子供は親から無償で土地の所有権を得ます。これは贈与という形で所有権が無償で移転した例です。また、夫婦が離婚する際に、財産を分け合う財産分与も、無償譲渡に含まれます。このように、対価が発生しない譲渡は無償譲渡と呼ばれます。 さらに、人が亡くなった際に、その人の財産が家族などに渡る相続も譲渡の一種です。相続は故人の意思に基づいて行われる場合と、法律で定められた順序で相続人が決められる場合があります。いずれの場合も、故人から相続人へと財産の所有権が移転します。これも無償譲渡に該当します。 最後に、競売も譲渡の一種です。競売とは、債務者が返済できない場合、その人の財産を売却して債権者に配当する手続きです。この場合、裁判所などが売却手続きを行い、最も高い金額を提示した人が財産の所有権を得ます。これは有償譲渡に当たります。 このように、譲渡は様々な場面で発生し、私たちの社会で財産や権利の移動を支える重要な役割を果たしています。譲渡の種類を理解することは、円滑な取引や権利関係の把握に役立ちます。
法律・規制

増加する空き家問題とその対策

人が住んでいない住宅のことを、空き家と呼びます。これは、使われていない期間の長短に関わらず、人が居住していない状態を指します。例えば、休暇の時だけ利用する別荘のように、一時的に人が住んでいない家も空き家に含まれます。また、所有者が亡くなり、相続する人がいない、もしくは相続手続きが進んでいない家も空き家です。さらに、建物が古くなり、人が安全に暮らすのが難しい状態になった家も、空き家とみなされます。 近年、我が国では人口の減少と高齢化が進むにつれて、空き家の数が急速に増えています。これは、社会全体にとって大きな問題となっています。適切な管理がされていない空き家は、景観を損なうだけでなく、犯罪が起こりやすい場所になる可能性があります。草木が生い茂り、荒れ果てた家は、地域全体の美観を損ね、近隣住民にとって不安な要素となります。また、人目につきにくいことから、犯罪に利用される危険性も高まります。さらに、老朽化した空き家は倒壊する危険があり、近隣住民の安全を脅かす可能性も懸念されます。地震や台風などの災害時に、倒壊した家屋が周囲に被害を及ぼす可能性も考えられます。 このように、空き家の増加は、地域社会にとって様々な問題を引き起こす可能性があります。そのため、空き家を適切に管理し、有効活用していくことが重要です。空き家の所有者には、適切な管理を行う責任があり、地域住民も協力して、安全で快適な暮らしを守っていく必要があります。行政も様々な対策を講じていますが、空き家問題は、地域社会全体で取り組むべき課題と言えるでしょう。