壁面

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建築

不陸:水平でないということ

地面や床、壁といった場所が平らでない状態、水平ではない状態のことを不陸といいます。平坦であるべきところが傾いていたり、デコボコしていたりする状態を想像してみてください。机の上に物を置くとガタガタする、床に置いたビー玉が転がるといった現象は、不陸が原因かもしれません。 不陸は、家の中だけでなく、道路や土地など、様々な場所で起こり得る、私たちの暮らしに身近な問題です。ほんの数ミリ程度の小さな不陸であっても、建物が長持ちするかどうかや安全に暮らせるかどうかに影響を与えることがあります。 不陸があると建物が傾いたり、ひび割れが生じたりする可能性が高まります。また、ドアや窓の開閉がスムーズにいかなくなることもあります。床に不陸があると、つまずいたり転んだりする危険性が増し、家具の配置にも苦労します。 見た目にも悪いだけでなく、安全面にも大きな影響を与える不陸。家造りや土木工事では、不陸をきちんと測り、適切な方法で対処することが重要です。建物の工事をする前には、土地の不陸を測量し、整地を行います。床や壁を作る際には、水平器などを使ってこまめに水平を確認しながら作業を進め、基準となる水平面からのずれがないかを確認します。もし不陸が見つかった場合は、モルタルなどを用いて調整を行います。 このように、不陸への対策は建物の耐久性や安全性を確保するために欠かせないものです。普段の生活の中でも、不陸に意識を向けてみてください。
エコロジー

太陽熱で快適に!トロンプウォールの魅力

南向きの壁に設置された、太陽熱を蓄える壁のことを「集熱壁」と呼びます。この壁は、太陽の光を効率よく吸収し、熱に変換するように作られています。具体的には、コンクリートやレンガなどの蓄熱性の高い材料で作られた壁の表面を黒く塗装することで、太陽光の吸収率を高めています。また、集熱壁の前面にはガラスや透明な樹脂の板などを設置し、温室効果を高めています。太陽光がガラスを透過すると、集熱壁に吸収されて熱に変換されます。この熱は、ガラスによって外に逃げにくくなるため、集熱壁の温度はさらに上昇します。 集熱壁に蓄えられた熱は、壁の内部に設置された空気の通り道を通じて、室内へと送られます。日中は、太陽の光を受けて温められた空気が、自然対流によってこの空気の通り道を上昇し、室内へと流れ込みます。これにより、室内の温度を暖房を使うことなく快適に保つことができます。夜間や曇りの日には、日中に集熱壁に蓄えられた熱が、ゆっくりと室内に放出されます。集熱壁は、いわば太陽熱の貯金箱のような役割を果たしているのです。 このような太陽熱を利用した仕組みは、化石燃料の使用量を削減し、二酸化炭素の排出量を抑えることができるため、環境に大変優しいと言えます。また、光熱費の節約にもつながるため、家計にも優しい仕組みです。太陽の恵みを最大限に活用することで、快適な居住空間を実現するとともに、持続可能な社会の実現にも貢献することができます。