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風を受ける建物の面積:見付面積とは?
見付面積とは、建物が風にさらされる面積のことです。言い換えると、建物が風を受ける壁の面積を指します。ただし、単純に壁の面積を合計するのではなく、風の方向に対して垂直に投影した面積で計算します。
風は目に見えませんが、建物に大きな力を加えます。強風時には、この力は建物を揺らしたり、最悪の場合には倒壊させるほどの威力を持つこともあります。そのため、建物の設計段階では、風による影響を十分に考慮する必要があります。この風による力を計算するために必要な要素の一つが、見付面積です。
見付面積が大きいほど、建物が受ける風の力は大きくなります。例えば、同じ高さの建物でも、壁面が大きく風を受ける面積が広い建物は、壁面が小さく風を受ける面積が狭い建物に比べて、より大きな風の力を受けます。
建物の設計では、この見付面積を基に、風圧力を計算します。風圧力とは、風が建物に及ぼす圧力のことで、見付面積が大きいほど風圧力も大きくなります。風圧力を計算することで、建物に必要な強度を決定し、強風による被害を防ぐことができます。
見付面積は、建物の形状や配置によって変化します。そのため、設計段階では、建物の形状や配置を工夫することで、見付面積を小さくし、風による影響を軽減することができます。例えば、高層建築物では、風の影響を受けにくい流線型の形状を採用したり、建物の向きを調整することで、見付面積を小さくし、風による影響を最小限に抑える工夫がされています。また、周囲の地形や他の建物の配置も、風向きや風の強さに影響を与えるため、見付面積を計算する際には、これらの要素も考慮する必要があります。