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建物を支える地盤の力:地耐力
家を建てる際に、まず初めに考えるべき大切なことの一つに、土地の地盤の強さがあります。地盤の強さを示す言葉として、『地耐力』という言葉があります。地耐力とは、地盤がどれだけの重さに耐えられるかを示す値のことです。建物をしっかりと支えるためには、この地耐力が非常に重要になります。
地耐力は、様々な条件によって変わってきます。まず、土の種類が大きく影響します。例えば、砂地盤は粘土質地盤に比べて、一般的に地耐力が高いと言われています。同じ砂地盤でも、砂の粒の大きさや種類によって地耐力は異なってきます。また、土の締まり具合も大切です。しっかりと締め固められた地盤は、そうでない地盤に比べて、当然ながら地耐力が高くなります。さらに、地下水位も関係してきます。地下水位が高い、つまり地下水が地表近くに存在する土地では、地盤が弱くなり、地耐力は低下してしまいます。
このように、地耐力は場所によって大きく異なるため、家を建てる前には、必ずその土地の地耐力を調べることが必要です。地盤調査を行うことで、その土地の地耐力を正確に知ることができます。地盤調査には、スウェーデン式サウンディング試験や標準貫入試験といった方法があります。十分な地耐力がないまま家を建ててしまうと、家が不均一に沈んでいく不同沈下という現象が起きる可能性があります。不同沈下によって、壁にひびが入ったり、ドアや窓が開閉しづらくなったり、床が傾いたりするなどの問題が発生するかもしれません。最悪の場合、家が傾いたり、倒壊してしまう危険性も考えられます。そのため、家を建てる際には、地盤の強さをしっかりと理解し、地耐力を確認することが非常に大切です。専門家による地盤調査と、必要に応じた地盤改良工事を行うことで、安全な家を建てることができるでしょう。