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不動産売買の裏側:分かれとは
不動産の売買では、売主と買主の間を取り持つ会社が存在します。これらの会社は、売買が成立すると、売主と買主の両方から報酬を受け取ります。この報酬のことを仲介手数料と言い、この手数料の分け方を「分かれ」と言います。通常、売買には二つの会社が関わります。一つは売主から依頼を受けた会社で、元付け会社と呼ばれます。もう一つは買主を見つける会社で、客付け会社と呼ばれます。
分かれとは、この元付け会社と客付け会社の間で、仲介手数料をどのように分けるかを決めることです。一般的には、元付け会社が主導権を握り、客付け会社への配分の割合を提示します。例えば、仲介手数料を10とした場合、元付け会社が6、客付け会社が4となるように、あらかじめ割合を決めておきます。この割合は、売買の難しさや市場の状況、それぞれの会社の貢献度によって変わります。
買主を見つけるのが難しい物件の場合、客付け会社への配分の割合を高めることがあります。これは、多くの会社に買主探しを依頼し、買主を見つけやすくするためです。逆に、売却しやすい物件であれば、元付け会社が多くの報酬を受け取るように調整することもあります。分かれの取り決めは、不動産売買を円滑に進める上で大切な役割を担っています。それぞれの会社が自分の役割と責任を理解し、協力することで、より良い売買を実現できるのです。売買の当事者だけでなく、間に入る会社にもそれぞれの役割と利益があり、それらが適切に調整されることで、スムーズな取引が実現するのです。