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元金均等返済で賢く住宅ローン
「元金均等返済」とは、住宅購入などで借り入れたお金を返す際、毎月返す元金部分を一定額にする返済方法です。住宅の購入費用を金融機関から借り入れ、毎月少しずつ返済していく住宅ローンには、主に二つの返済方法があります。一つが「元利均等返済」、もう一つが「元金均等返済」です。
元金均等返済では、返済開始から終了まで、毎月返す元金の額は一定です。例えば、1000万円を10年間で返済する場合、単純計算では毎月約8万3千円ずつ元金を返済していきます。ただし、住宅ローンには利息が発生しますので、毎月一定額の元金に加えて、その時点での借入残高に対する利息を支払う必要があります。
返済当初は借入残高が多いため、利息の額も大きくなります。そのため、元金と利息を合わせた毎月の返済額は、返済初期に最も高く、徐々に少なくなっていきます。1000万円を10年間で返済する場合、最初の月は利息も高く、元金と合わせて10万円を超える返済額になることもあります。しかし、毎月元金を返済していくと借入残高が減っていきますので、それに伴い利息も減っていき、毎月の返済額も少なくなっていきます。最終的には元金部分のみの返済となり、最初の月に比べて総返済額は半分以下になります。
もう一つの返済方法である元利均等返済と比較すると、元金均等返済は総返済額が少なく、長い目で見て借り入れる人が支払う利息の総額は少なくなります。これは、元金均等返済では、返済初期に元金を多く返済するため、借入残高が早く減り、支払う利息の総額も少なくなるからです。しかし、元金均等返済は返済初期の負担が大きいため、収入や支出をしっかりと把握し、無理のない返済計画を立てることが大切です。特に返済開始直後は、元利均等返済よりも毎月の返済額が高くなることを理解しておく必要があります。