
人口集中地区:都市計画の鍵
人が密集して暮らす地域を指す言葉として「人口集中地区」があります。これは、普段私たちが「人が多い場所」と感じる感覚とは少し違い、明確な決まりに基づいて定められています。この決まりを満たした地域のことを、専門用語で「人口集中地区」、略して「人集地」と呼ぶのです。
では、どのような決まりがあるのでしょうか。まず、1平方キロメートルあたり4000人以上の人口密度が必要です。1平方キロメートルというと、1キロメートル四方の正方形の面積と同じ広さです。そこに4000人以上が暮らしている地域が、人口集中地区の候補となります。次に、この基準を満たす地域が、市町村の境界線の中で互いに隣り合っている必要があります。1か所だけで基準を満たしていても、周りに人が少ない地域があれば、人口集中地区とは認められません。そして最後に、これらの隣り合った地域の合計人口が5000人を超えていることが必要です。たとえ基準を満たす地域がいくつか隣接していても、人口が5000人に満たない場合は、人口集中地区とはなりません。
このように、人口集中地区とは、単に人口密度が高いだけでなく、ある程度の規模があり、まとまった範囲に人が密集して暮らしている地域を示す指標なのです。この指標は、国勢調査の結果をもとに計算され、都市の規模や人口分布を理解する上で重要な役割を果たしています。人口集中地区に指定されると、行政サービスの提供範囲や都市計画などにも影響を与えるため、都市の発展を考える上で欠かせない要素と言えるでしょう。