不可分性

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契約・手続き

不動産と抵当権の切っても切れない関係

抵当権とは、住宅を建てるためのお金や住宅を買うためのお金など、大きなお金を借りる際に、その返済を確実にするために、土地や建物といった不動産に設定される権利のことです。簡単に言うと、お金を借りた人が返済できなくなった場合に、お金を貸した人がその不動産を売って、貸したお金を回収できるようにする仕組みです。 例えば、あなたが家を建てるためにお金を借り、その家を担保として抵当権を設定したとします。もし、あなたが返済できなくなった場合、お金を貸した金融機関は、抵当権に基づいて、あなたの家を売却することができます。そして、その売却代金から、あなたが借りたお金や利息などを回収するのです。 抵当権には「分けられない」という重要な性質があります。これを専門用語で「不可分性」と言います。例えば、あなたが家を建てるためにお金を借り、その家を担保に抵当権を設定したとします。その後、返済を続け、借金の残りが当初の半分になったとしても、抵当権は家の全部について残ります。半分返済したからといって、抵当権が家の半分だけになるわけではないのです。 また、家を誰かに売ったとしても、抵当権はそのまま新しい持ち主に引き継がれます。抵当権は借金が完済されるまで、不動産に付いて回るのです。この「分けられない」という性質があるため、抵当権は、お金を貸す側にとって、返済を確実に受けられるための強力な担保となります。 不動産の売買を行う際には、必ずその不動産に抵当権が設定されているかどうかを確認する必要があります。もし、抵当権が設定されている不動産を購入する場合、その抵当権を抹消する手続きが必要になります。抵当権についてしっかりと理解しておくことは、安全な不動産取引を行う上で非常に大切です。