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空間を彩る飾り棚:ニッチの魅力
壁の一部を奥まらせて棚のように設けた空間のことを、壁龕(へきがん)またはニッチと言います。この建築技法は、古代ローマ時代から人々の生活の中に存在し、現代の建築様式にも広く用いられています。ニッチは、単なる収納の場としてだけでなく、空間の雰囲気を高める効果も持ち合わせています。
ニッチは、大きさや形、設置場所を住む人の好みに合わせて自由に設計できる点も魅力です。例えば、廊下の壁面に小さなニッチを設けて、お気に入りの小物を飾ったり、玄関のニッチに季節の花を飾ったりすることで、空間に彩りを添えることができます。限られた空間でも、ニッチを設けることで、奥行きや広がりを演出することが可能です。狭い廊下でも、壁面にニッチを設けることで、空間が広く感じられる効果があります。また、玄関にニッチを設けることで、訪れる人を温かく迎え入れる雰囲気を作り出すことができます。
ニッチの内部に照明を設けることで、空間の雰囲気をより一層高めることも可能です。例えば、ニッチの中に小さな照明を埋め込むことで、壁面に陰影が生まれ、空間全体に奥行きが生まれます。また、ニッチの中に間接照明を設置することで、柔らかな光が空間を包み込み、落ち着いた雰囲気を演出することができます。
ニッチは、実用性と装飾性を兼ね備えた空間づくりの重要な要素と言えるでしょう。収納としての機能だけでなく、空間のアクセントとして、インテリアの一部として、その存在感を示します。ニッチを効果的に活用することで、住まいをより快適で、個性豊かな空間に演出することができるでしょう。