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広々空間の秘密:アウトフレーム工法
建物を支える柱や梁を、あえて建物の外側に配置する斬新な建築方法があります。これは「アウトフレーム工法」と呼ばれ、主にマンションのような鉄筋コンクリート造の建物で採用されています。
従来の建築方法では、柱や梁は建物の内側に配置されていました。そのため、どうしても室内に柱や梁の出っ張りがあり、空間の広がりを阻害する要因となっていました。家具の配置に苦労したり、部屋の形がいびつになってしまうことも少なくありませんでした。
これに対し、アウトフレーム工法では柱や梁を建物の外枠に配置します。まるで絵画の額縁のように、柱と梁が建物を囲む形となり、その内側は広々とした空間が広がります。柱や梁に邪魔されることなく、家具を自由に配置したり、間仕切り壁の位置を自由に決めたりすることが可能です。
この工法の最大のメリットは、室内空間を最大限に活用できることです。部屋の形が整然とするため、空間を無駄なく使えるだけでなく、開放感あふれる住まいを実現できます。まるで大きな一枚のキャンバスのように、自由に空間をデザインできるため、居住者のライフスタイルに合わせた多様な空間設計が可能となります。
近年、多くのマンションでアウトフレーム工法が採用されている背景には、居住空間の快適性向上への期待があります。広々とした空間は、そこで暮らす人々にゆとりと安らぎを提供します。また、設計の自由度が高いことから、多様なニーズに応えることができる点も大きな魅力と言えるでしょう。
このように、アウトフレーム工法は、柱と梁を外に出すという斬新な発想から生まれた、快適な居住空間を実現する画期的な建築方法と言えるでしょう。