住まいの被害:中破ってどんな状態?
不動産の疑問
先生、「中破」ってどういう意味ですか?地震のニュースでよく聞くんですけど、よくわからないんです。
不動産アドバイザー
いい質問だね。家は地震で壊れると、被害の程度によって「軽微」「小破」「中破」「大破」「崩壊」の5段階に分けられるんだ。その中の「中破」は、修理したり、とりあえず安全な状態にする応急処強をしないと住むのが難しい状態のことを言うんだよ。
不動産の疑問
修理しないと住めないって、どのくらいの壊れ方ですか?
不動産アドバイザー
例えば家の骨組みが傷ついたり、壁や床、天井などがはがれたり、落ちてしまったりするような状態だね。つまり、家の見た目も大きく損なわれている状態と言えるよ。
中破とは。
「不動産」と「建物」について使われる言葉「中破」について説明します。中破とは、修理やとりあえずの補強をしないと住むことができないくらいの被害のことを指します。家の骨組みが傷つき、家の中と外の壁や飾りがはがれたり落ちたりといった大きな損傷が見られる状態です。また、地震などによる建物の被害は、その大きさによって、軽い・少し壊れた・中くらいに壊れた・大きく壊れた・完全に壊れた、の5段階に分けられています。
中破とは
中破とは、普段の暮らしを続ける上で、修繕や応急の手当てをしないと住み続けるのが困難な状態のことを指します。具体的には、家の骨組みとなる構造部分に傷が見られ、建物の外側の壁や内側の壁が剥がれ落ちたり、ひび割れたりするなどの大きな損害が確認される状態です。天井や床にも被害が及んでいる場合もあり、日常生活を送る上で大きな支障をきたすことが考えられます。
例えば、屋根瓦が剥がれ落ちたり、雨どいが破損したりすることで、雨漏りが発生しているかもしれません。また、窓ガラスが割れていたり、サッシが歪んでいたりする場合は、風雨の侵入を防ぐことができず、室内の温度調節が難しくなるだけでなく、防犯上の問題も懸念されます。さらに、地震や台風などの自然災害によって、家の基礎部分にひび割れが生じたり、地盤沈下が発生したりするなど、家の構造自体に影響を及ぼすような深刻な損害も考えられます。
このような状態では、安全な住まい環境を保つことが難しいため、早急な対応が必要です。生活に支障が出るほどの損害であるため、専門家による的確な診断と修繕計画の策定が欠かせません。家の構造部分の損傷を見極め、適切な修繕方法を選択することで、建物の強度を回復し、安全な居住空間を取り戻すことができます。また、損害の状況によっては、補修ではなく建物の建て替えが必要となる場合もあります。
中破の状態を放置しておくと、被害が拡大する可能性があります。例えば、雨漏りを放置すると、木材が腐食し、家の構造が弱くなってしまうかもしれません。また、ひび割れを放置すると、そこから雨水が侵入し、さらに被害が拡大する恐れもあります。そのため、早期発見・早期対応が重要です。少しでも異常を感じたら、すぐに専門家に相談し、適切な処置を施すようにしましょう。迅速な対応によって、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
中破の状態 | 具体例 | 影響 | 対策 |
---|---|---|---|
家の骨組みとなる構造部分に傷が見られ、建物の外側の壁や内側の壁が剥がれ落ちたり、ひび割れたりする | – | 日常生活を送る上で大きな支障 | 専門家による診断と修繕計画の策定 |
屋根瓦の剥がれ落ち、雨どいの破損による雨漏り | – | 木材の腐食、家の構造の弱体化 | 早期発見・早期対応、専門家への相談 |
窓ガラスの破損、サッシの歪み | – | 風雨の侵入、室内の温度調節困難、防犯上の問題 | – |
地震や台風による家の基礎部分のひび割れ、地盤沈下 | – | 家の構造自体への深刻な影響 | – |
建物の被害の5段階
大きな揺れや災害の後、建物はどのくらい傷ついたのかを五つの段階に分けて調べます。一番軽い被害を「軽微」と言い、少し壁にひびが入る程度です。この程度の傷であれば、普段の暮らしにはほとんど影響はありません。次に「小破」という段階では、壁や天井に傷が見られますが、住むことはできます。ただし、このままにしておくと傷が広がるかもしれないので、注意が必要です。
三番目は「中破」です。この段階になると、建物の柱や梁など、大切な部分に傷がついてしまいます。家の中を安全に使うのが難しくなるので、きちんと直す必要があります。日常生活に大きな支障が出るので、修理が終わるまで別の場所に住む必要があるかもしれません。四番目に深刻な「大破」では、建物全体が傾いたり、すぐにでも崩れそうな状態になります。当然、この状態の家には住めません。大破した建物は、直すのが難しい場合が多く、取り壊すことになる場合もあります。
そして最もひどい被害が「崩壊」です。これは、建物が完全に崩れてしまった状態を指します。中に人がいたら大変危険ですし、家財道具も全て失われてしまいます。このように、建物の被害は五段階に分けて考えます。被害の程度に応じて、必要な処置も変わってきます。軽微な被害であれば、簡単な修理で済みますが、大破や崩壊の場合は、新しく家を建てる必要があるでしょう。それぞれの段階に合った適切な対応をすることが大切です。
被害レベル | 概要 | 居住可能性 | 必要な措置 |
---|---|---|---|
軽微 | 壁にひびが入る程度 | 影響なし | 簡単な修理 |
小破 | 壁や天井に傷。居住可能だが、放置すると悪化の可能性あり | 居住可能(注意が必要) | 修理 |
中破 | 柱や梁など主要な部分に損傷。安全に使用困難 | 居住困難 | 大規模な修理。一時的な住居移転が必要な場合も |
大破 | 建物全体が傾き、倒壊の危険性あり | 居住不可 | 修復困難な場合は取り壊し |
崩壊 | 建物が完全に倒壊 | 居住不可 | 新築 |
中破の具体的な例
中破とは、建物が大きな損害を受けた状態を指しますが、全壊ほどではない状態です。具体的にどのような状態を中破と言うのか、例を挙げて見ていきましょう。
まず、地震による被害を考えてみましょう。大きな揺れによって、家の柱が傾いてしまったり、壁に大きなひび割れが入った場合は中破に当たります。柱は家の骨組みを支える重要な部分です。傾いてしまうと、家のバランスが崩れ、倒壊の危険性も高まります。壁のひび割れも、建物の強度を下げる原因となります。
次に、屋根の被害を見てみましょう。屋根瓦が何枚も剥がれ落ちたり、雨漏りがするようになった場合も中破と言えます。屋根瓦は雨風から家を守る役割を果たしています。瓦が剥がれ落ちると、雨水が家の中に侵入しやすくなり、木材の腐敗やカビの発生に繋がります。雨漏りは、天井や壁を傷めるだけでなく、家の構造にも悪影響を及ぼします。
さらに、窓ガラスが割れていたり、外壁が剥がれ落ちている場合も中破に該当します。窓ガラスが割れると、外部からの侵入を許してしまうだけでなく、断熱性能も低下します。外壁が剥がれ落ちると、家の外観が悪くなるだけでなく、雨水が壁の中に染み込み、建物の劣化を早める原因となります。
これらの損傷は、住む人の安全を脅かすだけでなく、建物の寿命にも大きな影響を与えます。そのため、中破と判断された場合は、速やかに修理を行う必要があります。専門家による詳しい調査と適切な工事を行うことで、建物の安全性と快適な住まいを取り戻すことができます。
状態 | 詳細 | 影響 |
---|---|---|
柱の損傷 | 柱の傾き、壁のひび割れ | 家のバランスが崩れ、倒壊の危険性が増す。建物の強度が低下する。 |
屋根の損傷 | 屋根瓦の剥がれ落ち、雨漏り | 雨水が侵入し、木材の腐敗やカビの発生につながる。天井や壁が傷み、家の構造にも悪影響が出る。 |
窓・外壁の損傷 | 窓ガラスの割れ、外壁の剥がれ落ち | 外部からの侵入を許し、断熱性能が低下する。家の外観が悪化し、雨水が壁に染み込み劣化を早める。 |
中破と判断された後の対応
住まいが中破と判定された場合、まず市町村や専門の相談窓口に連絡し、的確な助言と支援を受けましょう。被災状況を伝え、今後の対応について相談することが大切です。
その後、建築士などの専門家に依頼し、建物の詳しい調査を行いましょう。目に見えない部分の損傷も見落とさず、必要な修繕工事の内容と費用の見積もりを依頼します。複数の専門家に見積もりを依頼し、比較検討することもお勧めです。
同時に、加入している火災保険会社等へ連絡し、保険金請求の手続きを行いましょう。必要な書類や手続きについて確認し、速やかに手続きを進めることが大切です。写真や動画などで被害状況を記録しておくことも重要です。
修繕工事中は、安全な場所に仮住まいする必要があるかもしれません。市町村や支援団体が提供する仮住まいの情報を集め、家族構成や生活スタイルに合った住まいを選びましょう。仮住まい先での生活に必要な家財道具や日用品の準備も忘れずに行いましょう。
住まいの復旧には、様々な手続きや作業が発生します。焦らず、一つずつ確実に進めていくことが大切です。家族や周りの人に相談したり、専門家の支援を受けながら、落ち着いて復旧作業を進めましょう。行政が提供する被災者向け支援制度なども活用し、必要な支援を受けながら、一日も早い日常生活の回復を目指しましょう。
日ごろの備えの大切さ
災害はいつ襲ってくるかわかりません。だからこそ、平穏な日々の中でこそ、災害への備えを怠らないことが大切です。住宅を守るためには、建物の強度を高める対策が重要です。具体的には、耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強工事を検討しましょう。壁のひび割れや屋根のずれなど、普段から家の状態に気を配り、早期に修繕することも大切です。家の中の安全対策として、家具の転倒防止は欠かせません。家具を固定したり、背の高い家具は低い家具の上に置かないなど、地震の揺れで倒れてこないように工夫しましょう。また、寝室には、落ちてきたものが当たらない場所に寝るようにしましょう。
災害時に持ち出す非常用持ち出し袋の準備も大切です。水や食料、懐中電灯、ラジオ、救急用品など、必要最低限の物を揃えて、すぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。避難経路や避難場所の確認も忘れずに行いましょう。家族と集合場所を決めたり、連絡方法を確認しておくことも大切です。いざという時に慌てないためにも、日ごろから避難訓練に参加するなどして、行動をシミュレーションしておきましょう。
家の周りの環境にも目を向けましょう。自宅周辺の危険な場所、例えば崖や急な斜面、ブロック塀などがないか確認し、安全を確保しましょう。また、近所の人と協力して、地域の防災活動に参加することも大切です。
家の点検や手入れも、災害への備えとして重要です。屋根や外壁、雨どいなどを定期的に点検し、傷んでいる場合は修理しましょう。家の周りの排水溝を掃除して、水はけをよくしておくことも大切です。普段から家の状態を良好に保つことで、災害時の被害を少なくすることができます。日ごろからの備えは、安心安全な暮らしにつながります。面倒に思えることでも、一つ一つ丁寧に行うことで、いざという時に自分自身と家族を守ることができます。
カテゴリー | 対策 |
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住宅の強度 |
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家の中の安全対策 |
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非常用持ち出し袋 |
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避難 |
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家の周りの環境 |
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家の点検・手入れ |
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